category: 音楽 (81)

CD紹介の目次 (A→Z)
CD紹介の目次 (発売年)

2016年
進藤むつみのおすすめCD (vol.80)

get "Magic Fire"あたしはこの "Magic Fire" を聴いた時、『見つけた!』って思いました。カントリー・ロックが大好きで、90年台のオルタナ・カントリーや2000年以降のアメリカーナを聴き続けていて、だけど、もっと黎明期のカントリー・ロックそのもののサウンドを奏でているバンドがあるんじゃないか・・・って思っていたんですね。それが、もうあたしのイメージ通りのアルバムに、ついに巡り合えたんです。

繊細でいて大胆な曲に、美しくも力強いハーモニー、乾いた風や太陽を感じさせるサウンドを、ギターやフィドルにマンドリンを持ち替えて、メンバーが交代でヴォーカルをとる。いや、これは70年前後のカントリー・ロックそのものでしょ。作曲やヴォーカルは二人で半々で担当していて、一人が圧倒的リーダーじゃないのも個人的には好ましい。

まあ、彼らについては情報が少なすぎるんですけどね(英語版 Wikipedia のページさえない)。だから、あたしが感じた印象を中心に、彼らのサウンドをお話しさせてもらいたいと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2022 in 音楽, 2010年代, アメリカン・ルーツ | comment

2018年
進藤むつみのおすすめCD (vol.79)

get "Can't Wake Up"なんか妙な事をやっているな・・・と、いうのが第一印象。 Shakey Graves"Late July" のプロモーションビデオを見た時の事なんですけどね。スーツケースにバスドラのキックペダルを2つ付けて、一つはパッドに当たるように、そして、もう一つは袋に包んだタンバリンに当たるようにして、スーツケースに腰掛けて、そのキックペダルを踵で踏みながらギターを弾いていた。

気持ちはわかるんですよね。ギター弾き語りをしていて最初に物足りなくなるのは、前奏はともかく間奏の間が持たない事。多くのシンガーがホルダーを付けてハーモニカを吹いたのはそう言う事だったろうし、彼の場合は、それは巧みなギターピッキングで乗り越えた。そして、次に悩むのは音の厚みがない事なんだと思います。ただ、それをこういう形でカバーした彼の発想力に加えて、それを実際に行ったその実行力に脱帽。まさに唯一無二のスタイルが誕生したのでした。

ただ、それが活かせたのは、曲の魅力、歌の魅力あってこそだと思うんですけどね。最初は際物のように思えた彼のスタイルだったのに、どんどんあたしが取り込まれて行ったのは、彼自身に魅力あってこそだったと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2022 in 音楽, 2010年代, シンガー・ソングライター | comment

2017年
進藤むつみのおすすめCD (vol.78)

get "Goodnight Rhonda Lee"俳優の方が演技をする場合、テレビと舞台では少し違ってくると思うんです。テレビの方がナチュラルっていうのかな。舞台の方が過剰な大きな演技になるんだと思う。その方が、舞台では伝わりやすいからだと思うんですよね。

対して、シンガーの場合もやっぱり演技をしていると思うんです。ロック・スターを演じるっていうんじゃなくて、例えば彼女の場合だと Nicole Atkins って歌手を演じているんじゃないかと思う。そして、その演じ方がね、彼女の場合、少し過剰なような気がするんです。思えば『Roy Orbison が父』と、自らのベースを語る彼女なんですよね。確かに Roy Orbison は過剰に自身を演じ切っている。その影響が、彼女の特徴的なヴォーカル・スタイルに現れているような気がするんです。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2021 in 音楽, 2010年代, シンガー・ソングライター | comment

2016年
進藤むつみのおすすめCD (vol.77)

get "Cautionary Tale"'the new Neil Young' と評される事もあるのは、もちろん Neil YoungTodd Rundgren が好きだったという事から来るのでしょう。だけど、あたしはそれはチョット違うんじゃないかと思うんです。確かに1970年代には、素晴らしいシンガー・ソングライターがたくさんいた。でもね、 Dylan Leblanc はそれらの先人たちに負けないくらい、繊細でいてデリケートな、心の琴線に触れる歌を歌える、21世紀の新しいタイプのシンガー・ソングライターだと思っているんです。


Dylan Leblanc は Louisiana 州生まれ。幼い頃に両親は離婚したそうです。7歳の誕生日にギターを手にすると、10歳の時に、ミュージシャンである父親の住む Muscle Shoals に行き、その仕事をするスタジオを遊び場に育ったとの事。バンド活動を経た 2010年、20歳になる年に自らのプロデュースによるデビュー・アルバム、 "Paupers Field" を発表します。

なにしろ、独特の憂いのある歌声が耳を引く。そして暗くて重い。スチール・ギターが味付けをしている曲が多いんだけど、そのスチール・ギターの明るさが、かえって暗さを引き立たせたりしています。そして、前作を踏襲した内容のセカンド、"Cast the Same Old Shadow" を2012年に発表。ファーストとセカンドを発表後は、 Lucinda Williams, the Civil Wars, Bruce Springsteen, the Drive by Truckers, Alabama Shakes らの前座としてツアーを行いました。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2020 in 音楽, 2010年代, シンガー・ソングライター | comment

フリーズ・フレイム / J. ガイルズ・バンド 1981年
進藤むつみのおすすめCD (vol.76)

get "Freeze-Frame"the J. Geils Band / the J. Geils Band から続く)

大きな期待を受けながら、迷宮に迷い込んだ the J. Geils Band は、心機一転EMIアメリカに移籍し、Boz Scaggs"Silk Degrees" などを手がけた事で知られる Joe Wissert のプロデュースで "Sanctuary" を発表します。

ここで大きく変わったかといえば、実はそうでもない。ゆったりと余裕を持って演奏しているように聴こえるのは、ライヴとスタジオの違いを今まで以上に意識しただけでしょう。ギター・サウンドをベースにしたR&B色の強いロックン・ロールというのも変わらない。だけど Wissert のプロデュースに触れられたのが大きい。久々にゴールド・ディスクを獲得 (全米49位) した以上に、彼等の手応えは大きかったんだと思います。

翌80年、その経験を生かして、今度はメンバーの Seth Justman のプロデュースで "Love Stinks" (全米18位) をリリース。派手なギターがベースなのは変わらなくても、シンセサイザーが前面に出ることが多くなり、サウンドの印象は大きく変わりました。これが、古くからのファンの反発を呼び、『売るために超えてはいけなりラインを超えてしまった』と言われることになります。


しかし、そのサウンドを押し進めて発表されたのが、この "Freeze-Frame" でした。後述する "Centerfold" のヒットもあり、全米No.1を記録しました。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2016 in 音楽, 1980年代, アメリカン・ルーツ | comment

デビュー! / J. ガイルズ・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.75)

get "the J. Geils Band"成功を約束されていたと言っては、言い過ぎでしょうか。だけど、the Butterfield Blues Band 以来の最高の白人ブルース・バンドと呼ばれ、プレイもハートも申し分ない。ブラック・ミュージックの名門アトランティックからデビューを果たし、ローリング・ストーン誌でベスト・ニュー・バンドにも選ばれている。他にこんな話もあるんですよね。

ロックの殿堂的なライヴ・ハウス、フィルモア・イーストに初めて出演した時、オーナーの Bill Graham はこう言って彼らを紹介したそうです。『メイン・アクトにしか興味がなく、このバンドにチャンスを与えてやるだけの忍耐力を持ち合わせていないというお客さんは、申し訳ないが会場から出ていってくれないか?。とりあえず静かにして、このバンドにチャンスをやってほしいんだ』・・・すごい期待の大きさですよね。

そう、約束とまでは言えなくても、誰もがこのバンドに期待していたんだと思います。そんな the J. Geils Band の物語を今日はお話ししたいと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2016 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comment

ドンファンのじゃじゃ馬娘 / ジョニ・ミッチェル 1977年
進藤むつみのおすすめCD (vol.74)

get "Don Juan's Reckless Daughter"とりあえず、恋愛関係の話は置いておきましょうか。もちろん Joni は『私の人生は、愛と音楽を探し求めることだけで費やされてきた』と歌ったくらいだし、彼女の詩からはその時々の恋愛の影響が色濃く読み取れたりもする。感性を刺激されてる事はもちろん、自分になかったものを相手から受け取っている事も分かる・・・けど、まあ、キリがありませんから(笑)。

ただ『音楽を探し求める』っていうのは、すごく彼女らしいよなと思うんです。実際、デビュー当時から圧倒的な個性や存在感を持ちながら、少しずつ音楽のスタイルを変えているんですよね。初期の弾き語りを中心をしたサウンドから、だんだんとジャズに傾倒していったのは、まさに自分が求めている音楽を追っていった結果のように思えます。

だけど、逆に全く変わってない部分もあると思いませんか?。もちろん詩もメロディーも一聴して彼女だって分かったりするわけだけど、実は音の響きそのものが同じだなって感じたりもする。もしかしたら、どの時代のどのアルバムでも彼女の頭の中では同じ音が鳴っていて、ただそれを表現する方法だけを探し求めていたんじゃないかな・・・って、あたしは思うんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2009 in 音楽, 1970年代, シンガー・ソングライター | comments

ヒューマン・ヴォイス / ケニー・ロギンス 1985年
進藤むつみのおすすめCD (vol.73)

get "Vox Humana"あたしの中に何人かの自分がいると思う事があります。いえ、音楽の好みの話でね。基本的にカントリー・ロックが好きといっても、音楽に入り込んだのはフォーク・ソングからでした。日によってはしっとりとしたブルー・アイド・ソウルが聴きたい事もあるし、ロックンロールのリズムに身を任せたい時もある。どのあたしも嘘じゃない、本当の自分だと思うんです。

まあ、あたしの場合はその日の気分で聴く音楽を変えればいいだけだし、例えプレイするにしても『今回は』ですむ事でしょう。だけど、プロのミュージシャンにとってはそうはいかないと思うんです。ファンの人を唸らせるだけの内容も必要だし、レコード会社を納得させるだけのセールスも求められると思う。だけど、だからといってもう一人の自分を抑えてしまったら、それはそれで嘘になってしまうと思うんです。

自分を、ファンの人を、スタッフを、全てを納得させながら音楽のスタイルを変えていくなんて、それは同じサウンドを続けていく以上に難しい事なのかもしれません。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2008 in 音楽, 1980年代, シンガー・ソングライター | comments

シンクロニシティ / ポリス 1983年
進藤むつみのおすすめCD (vol.72)

get " Synchronicity"ロック・トリオといえば CreamEmerson, Lake & Palmer から Nirvana まで、数々の名バンドを思い浮かべる事ができると思います。それぞれに特徴があって個性的。たぶん3人って縛りの中だと、お互いに個性をぶつけ合うくらいじゃないと、バンドとして成り立たないからなのかもしれません。そんな個性的な名バンドの中でも、あたしは the Police こそ最高のロック・トリオだと思っているんです。

Copland の手数の多い独特なドラムス、複雑で誰も真似しないようなギターを弾く Summers、そして Sting のハイトーン・ヴォイス。その3つがぶつかり合って・・・っていうより、もう鬩ぎあうって言った方がいいかもしれないくらい。そうやって生み出されるサウンドは、だからこそ他にない独創的なものになったのだと思うし、あたしに一番だと思わせる要因なのかもしれません。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2008 in 音楽, 1980年代, ロック | comments

アズ・タイム・ゴーズ・バイ / カーメン・マクレエ 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.71)

get "As Time Goes By"ジャズ・ヴォーカルの弾き語りっていったら、誰を思い浮かべますか?。えっ?、Nat King Cole?。うん、そりゃあ定番だ。だけど、ちょっと後期のシンガーのイメージが強すぎる気がします。まあ、それぞれにお気に入りの弾き語りアルバムをお持ちだと思いますが、もしかしたら最近の Diana KrallNorah Jones を思い浮かべる人が多いのかもしれませんね。

あたしは・・・といえば、Carmen McRae なんですよ。"As Time Goes By" というライヴ・アルバム。このアルバムって本当のソロなんですよね。収録された10曲すべてで、彼女のヴォーカルとピアノだけしか聴こえてこない、唯一の全編ピアノ弾き語りになるのかな?。あたしのとっておきの一枚を紹介させてもらいたいと思います。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2006 in 音楽, 1970年代, ジャズ | comment

Tricycle / ジョニー、ルイス&チャー 1980年
進藤むつみのおすすめCD (vol.70)

get "Tricycle"偶然に生まれるサウンドがあります。時代にピッタリはまったとか、コンセプトがミュージシャンに合っていたとか、参加しているメンバーやスタッフとの相性が良かったとか、色々な要因でそうなるんだと思う。だけど、そうして完成したサウンドが素晴らしいものだった時、あたしはホントに嬉しくなってしまうんです。そして・・・それが他で聴く事ができないほど個性的なものだった時には、ますますそう思う♪。この "Tricycle" は、そんなアルバムの1枚なんです。


中学時代からスタジオミュージシャンとして活動を始めた Char。天才ギタリストと謳われ、高校時代には金子マリ鳴瀬喜博らと伝説と呼ばれる Smoky Medicine を結成。76年にNSP天野滋の詩によるシングル "Navy Blue"、同年にアルバム "Char" でようやくデビューを飾りますが、時代が時代、ミュージシャンとしての道は簡単ではなかったようです。

そんな彼の名を世間に知らしめたのは、翌年、歌謡曲路線に転向してからの3曲でしょう。"気絶するほど悩ましい", "逆光線", "闘牛士"。この3曲の詞は、当時最も売れっ子だった作詞家阿久悠の手によるもの。売る事を念頭に、かなり割り切って活動していたようです。しかし、77年のアルバム "Have a Wine" を経て78年にサード "Thrill" を発表する頃から、彼のその後を変えるいくつかの出来事があったんです。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2006 in 音楽, 1980年代, 日本 | comment

ヤンキー・ホテル・フォックストロット / ウィルコ 2002年
進藤むつみのおすすめCD (vol.69)

get "Yankee Hotel Foxtrot"Anodyne / Uncle Tupelo から続く)

オルタナティヴ・カントリーの源流ともいえる Uncle Tupelo は、双頭バンドと呼ばれながらも実質 Jay Farrar のバンドだったと思います。詩もメロディーも歌もギターも、全てにおいて彼がリードしていて、Jeff Tweedy の個性やポップ感は面白いものの、どれをとっても少しずつ力不足。デビュー後3年間の成長は大きかったものの、2人を比べてしまえば、やっぱり Jeff が負けてるんですよね。

そして、Jay Farrar は解散後に組んだバンド Son Volt でも、Uncle Tupelo 時代に得意としたルーツ色を押し進め、強烈な煌めきを見せてきました。もう、オルタナ・カントリーの本流にどっしりと構えて、貫録を感じさせるほどのサウンドを聴かせてくれています。それは強いカントリーへの敬愛を感じさせると共に、彼のハートに嘘がなかった事をも証明したような気がするんです。

対する Jeff Tweedy は・・・、やはり彼が得意としてきたポップ感やパンク的な要素を出してきながらも、最初は自分の求めるサウンドが何なのか分かっていなかったんじゃないかしら。だから、ストレートなオルタナ・カントリー・タッチの曲もありながら、暴力的といえるほどの大音量やノイズで攻めてきたりしたような気がする。だけど、この時の試行錯誤が、そして Jay Farrar がいない事による解放感と焦燥感が、大きく彼を成長させたような気がするんです。

Uncle Tupelo 解散後に Jeff Tweedy が組んだバンドを Wilco といいます。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2006 in 音楽, 2000年代, オルタナ | comments

心のかけら / ジュエル 1995年
進藤むつみのおすすめCD (vol.68)

get "Pieces of You"素朴・・・と言えばいいのでしょうか。繊細と言った方がいいのでしょうか?。それとも純粋と言うべきなのでしょうか。Jewel のこのデビュー・アルバムを聴いた瞬間、逆にこっちの方がどぎまぎしてしまったような気がします。それ程ストレートに、彼女の心が出ているように思えました。心の中にあるものを何ひとつ隠す事なく、あたしに見せてくれたように感じたんです。

だって、もうそのまんまなんですよね。考えている事が、真っ直ぐこっちに伝わってくる。それって、良いところも悪いところもね。例えば、瑞々しくて触れただけで壊れちゃいそうな素朴さを感じられる代わりに、自信のなさや不安さえもわかっちゃうんです。おいおい、もう少しガードした方がいいんじゃないの?。悪い人に付け込まれちゃうよ・・・なんて、あたしも余計な心配してみたりして(笑)。

だけど、このアルバムをレコーディングした時には、彼女はホントに自信がなかったのかもしれません。デビューする事はできたけど、このまま活動を続けていけるのかわからなかったんじゃないかしら?。そんな自信のなさが、そのままこのアルバムには録音されちゃったのかもしれません。でもね、この "Pieces of You" を一度でも聴いたならば、将来 Jewel という宝石の原石がどれほどの輝きをみせてくれるのか、誰もが気が付いたと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2006 in 音楽, 1990年代, シンガー・ソングライター | comments

進藤むつみのおすすめCD・番外編

もちろんサウンドに触れるためにCDを買うのですが、アルバム・カヴァーも楽しみの一つのような気がします。実際に音が鳴りはじめるまで、ジャケットを眺めながらドキドキしているし、聴いてる最中も見えるトコに立て掛けておいたりしますからね。サウンドとカヴァーって、切り離せないものだと思うんです。

あたしが好きな・・・っていうよりも、ロックのアルバム・カヴァーのデザイナーで最も有名なんですけどね。Hipgnosis というデザイン・グループがいるんです。右の Pink Floyd"Atom Heart Mother" のデザインは、たぶん知らない人がいないくらい有名なもの。それこそ、ロックのジャケットの概念を打ち破りました。だって牛ですよ。まったく、何で牛?って感じ(笑)。リアルタイムで触れたファンは、相当驚いただろうと思います。

だけど、これって単に概念を打ち破っただけじゃないんですよね。動物を扱っていながら、異様なまでの静けさが不思議です。なんか、時間が止まっちゃってるようにも思えるし、冷たさが感じられるような気がするんです。これって表だけじゃなくて、インナーを見開くと、もっとそう感じるんですね。そして、それこそが Hipgnosis の特徴であって、あたしが好きな要因だと思うんです。
 

今回のおすすめCDはチョット趣向を変えて、Hipgnosis のデザインを楽しんでみたいと思います。ジャケット写真と記事内リンクは、Amazonの該当商品にリンクしてるので、大きめの写真はそちらからご覧下さい。・・・と、8枚ジャケット写真を取り込んでるから、続きはとっても重いです。覚悟してご覧下さいませ(笑)。
 

posted by 進藤むつみ on Spring, 2006 in 音楽, 番外編 | comments

ウェイティン・フォー・ジョージ / フリー・ホイーラーズ 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.67)

get "Waitin' for George"訛ってるんですよね。もう、強烈な南部訛り。だけど、あたしはこういうのこそ文化だと思うし、あたしの中に南部への憧れがありますからね。彼等の南部人としての誇りにも感じられて、聴いていて嬉しくなってくるんです。・・・ただ、それでもこれだけ強烈だと、『チョットたいしたものだな』って思っちゃうんですよね。

あっ、ヴォーカルじゃないですよ。the Freewheelers の演奏が訛っているんです。

ギターの音色もそう、ズルズルに引きずったピアノとオルガンもそう、バックアップの女性コーラスもそう。これを南部の音と呼ばなければ、他に当てはまるものなんてないくらいにね。70年代のサザン・ロック、スワンプ・ロックそのものなサウンドに乗せて Luther Russell のダミ声が響く・・・って、やっぱりヴォーカルもそうなのか?(笑)。

実はバンドの情報が少なすぎて、何処の出身かも分からないんですよね。結成がロサンゼルスだって話や、このアルバム以降にリーダーの Luther Russell がオレゴン州のポートランドで活動してる事を思えば、根っからの南部人ではないのかもしれないなって思います。まあ、出身なんてあまり関係ないかもしれません。だって彼等の演奏には、Delaney & BonnieLeon Russell、そして Little Feat と同じような、南部独特のねちっこさと、熱いハートが感じられるんですから。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2006 in 音楽, 1990年代, アメリカン・ルーツ | comments

セレブリティ・スキン / ホール 1998年
進藤むつみのおすすめCD (vol.66)

get "Celebrity Skin"ゴシップやスキャンダルと一緒にしか語られないミュージシャンがいます。もちろんスキャンダルはロックスターの証だし、何もないようだと、逆に魅力もないような気もします。だけど、あまりにもそればかりだと、ちょっと違うんじゃないかと思っちゃうんですよね。そういう話って、本来の魅力や実力を十分に認められてこそだと思うんです。

今回ご紹介する HoleCourtney Love こそ、そんなミュージシャンの代表ではないでしょうか。うん、もう、よくもこれだけ色んな話が出てくるものと思うくらい。確かに、彼女の言動にも問題があるかもしれない。だけど、良い悪いじゃない、単純に巻き込まれてるだけの事もあるんですよね。それなのに、彼女の魅力やバンドの評価以外の話ばかり聞こえてくるんです。

Hole・・・、Courtney Love を、真っ正面から評価する。もしかしたら、色眼鏡抜きで彼女を見つめてる人の方が少ないんじゃないでしょうか。もしそうだとしたら、それはとても残念な事だと思うんです。だって、彼女は90年代、最高の女性ロッカーかもしれないんです。だから・・・あたしは余計な話を抜きにして、彼女の話をさせてもらいたいなと思っているんです。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2006 in 音楽, 1990年代, オルタナ | comments

アモリカ / ブラック・クロウズ 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.65)

get "Amorica"『濃ゆい』アルバムです。もうね、『濃い』なんて言い方なんかじゃ、このアルバムの特徴を伝えられないくらい『濃ゆい』んですよね。音作りの密度の濃さというよりも、ねっとりとしたサウンド。ヴォーカルもギターも、これ以上ないくらいの『濃さ』を醸し出しているんです。

えっ、意味がわからない?。仕方ないな、言い方を変えてみましょうか(笑)。

『熱い』アルバムです。サザン・スタイルのロックやブルージーなサウンドは、熱を感じさせる事が多いと思うんです。曲によっては『乾いたの太陽』の暑さとかね。だけど、このアルバムはそれ以上に、人間の体温の高さを感じさせるような気がします。その熱の高さが、このねっとりとしたサウンドに表れているような気がするんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2006 in 音楽, 1990年代, アメリカン・ルーツ | comments

フィーヴァー・イン・フィーヴァー・アウト / ルシャス・ジャクソン 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.64)

get "Fever In Fever Out"音楽が好きになって、聴き込んで、のめり込んでいくほどに、聴いているジャンルが狭くなるような気がします。だんだんと、自分の好みの音が分かってくるからだと思うんですけどね。あたしがのめり込んでいったのは、ルーツ系のロックでした。特にカントリー・フレーバー溢れるサウンド♪。

逆に言えば、ラップやヒップホップなんかは、最も苦手なジャンルに感じちゃうんです。この Luscious Jackson を初めて聴いた時も、単純にあたしの好きな音楽じゃないと思いました。Beastie Boys のグランド・ロイヤル第1号アーチストと言われても、ドラムスが Beasties のオリジナル・ドラマーだって言われても、あたしにとっては売り文句にならないんです。いえ、Beasite Boys はスゴイと思う。特に "Ill Communication" は、時代そのものを飲み込んだ大傑作だと思います・・・けど、苦手なんですよね(笑)。

リアルタイムで Luscious Jackson のファーストを聴いた後、あたしは彼女達に興味を示す事はありませんでした。セカンドを聴いたのは、発売されて5年以上たってから。それも中古で250円で売っていて、他に買うものがなかったからという後ろ向きな買い方(笑)。だけど、そこにあたしを虜にするサウンドがあったんです。もちろん、ルーツ系ロックなんかじゃないけど、『ヒップホップもイイかもしれない』って初めてあたしに思わせたアルバムが、この "Fever In Fever Out" だったんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2006 in 音楽, 1990年代, オルタナ | comments

カーラ・ブレイ・ライヴ! / ザ・カーラ・ブレイ・バンド 1982年
進藤むつみのおすすめCD (vol.63)

get "Carla Bley Live!"年に1枚くらいは、ジャズのアルバムを紹介したいと思うんです。いえ、ホントはもっと紹介したい。だけど、去年 Michel Petrucciani の時にもお話ししたけれど、あたしって好きな割りにはジャズ界に詳しくないんですよね。だからこのアルバムは、そんなあたしでもお話したくなる、ホントに大好きな1枚なんです。

才女として名高い Carla Bley。フリー・ジャズの女王とも呼ばれたこともあり、女性のジャズ・ミュージシャンでは一番有名な人なのかもしれません。だけど、あたしが彼女の名前を知ったのは Pink FloydNick Mason のソロアルバム、"Fictitious Sports" (81年) でだったんですよね。このアルバムで彼女は全曲の作詞作曲を、そして Nick Mason と共同プロデュースをしていていたんです。

なんとも不思議なアルバムでした。時々こういったアルバムに巡り合う事があるんだけど、素面では聴けない・・・って言えばいいのかな(笑)。Soft Machine にいた Robert Wyatt の朴訥なヴォーカルも不思議。いかにも Pink Floyd っぽいサウンドもある。ただ、管楽器の使い方がジャズなんですよね。しかも、音の重ね方が普通じゃない。ライナーノートには、いかに Carla Bley が素晴らしいミュージシャンかを綴っている。あたしは俄然彼女に興味が湧いて、そこで手にしたのがこの "Carla Bley Live!" だったんです。うん、手にしてよかった。巡り合いって不思議です♪。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2005 in 音楽, 1980年代, ジャズ | comments

ワイルド・フラワーズ / トム・ペティ 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.62)

get "Wildflowers"大好きなミュージシャンで、いつも期待に胸を膨らませて新譜を手にするのに、なんかちょっと外されちゃう人っていませんか?。もちろん曲が悪いわけでもない、演奏もいつも通りにドライヴ感がある。いえ、もっと単純にカッコ良さも変わらないんです。それなのに、あたしが聞きたかったサウンドとちょっと違う・・・。あたしにとって Tom Petty & the Heartbreakers は、そんなバンドでした。

初期のストレートなロックン・ロールが、印象的すぎたのでしょうか?。それとも大ヒットした "Damn the Torpedoes" の頃のサウンドを、忘れられないのか?。発売されてすぐに買うじゃないですか。だけど「あれっ?、ちょっと違うな」って思っちゃう。あたしの期待を分かっていて、かわされるような気がしちゃうんです。もっとも彼等は恐ろしく真剣に音楽に取り組んでいるバンドで、自分たちのサウンドを追い求めながら、しかも先達へのリスペクトを表現していたんです。だから、あたしの好みが単純で、音楽に対する知識も少なかったっていう事なんですけどね。

そんな彼等のサウンドが、あたしの期待と見事に一致したのが、93年の "Greatest Hits" に収録されたシングル "Mary Jane's Last Dance" でした。ハーモニカをフィーチャーした強烈に泥臭いサウンドで、あたしはその曲を聴いた瞬間、失礼ながら「なんだ、やれば出来るんじゃない」って思ったんですよね(笑)。そして、翌94年に発売されたこの "Wildflowers" は、強烈にルーツ色を出したアルバムで、あたしがもっとも好きな Tom Petty の作品になったんです。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 音楽, 1990年代, アメリカン・ルーツ | comments

グッド・スタッフ / the B-52's 1992年
進藤むつみのおすすめCD (vol.61)

get "Good Stuff"ベストアルバムに新録の曲はあるものの、the B-52's の最後のアルバムがこの "Good Stuff" になりました。生涯一ダンスバンドと宣言して、いつも奇想天外なアプローチで驚かせてくれた彼等が、これ程ポップで、しかも深い味のあるアルバムを届けれくれた事に、正直あたしは驚いてしまいました。あたしの中では彼等の最高、ホントにお勧めしたいアルバムなんです。

だけど、もし彼等のファースト・アルバム "the B-52's" を聴いてない方がいらっしゃれば、どうか先にそちらを聴いてもらいたいと思うんです。なにしろその衝撃といえば、全ての音楽ファンを仰天させたものでしょうから。だってね、ありえない音なんですよ。スカスカのパーティー・ビートは分かるんだけど、あんなにノッペリしたオルガンの音はないですよね。下手ウマというよりは下手くそ(笑)。騒ぎ立てるような二人の女性コーラスを聴いたら、『やかましい!』とさえ思ってしまうアルバムでした。

確かにニュー・ウェーヴ系のバンドって、今までになかったアプローチをしてくる事も多いんです。ニューウェーヴが注目され始めた時期、そういう意味でこの the B-52'sDevo は双璧だったと思います。でも、あたしはやっぱり the B-52's かな?。彼等のヘナチョコ・ビームは強力です。聴いた瞬間、異次元に引き込まれてしまうんです。だけど、『よそ見してたら足を取られて、異次元に突き落とされた』 って言い方のほうが、ピッタリ来るようなバンドだったんですよね(笑)。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 音楽, 1990年代, ロック | comments

ブラザース・イン・アームス / ダイアー・ストレイツ 1985年
進藤むつみのおすすめCD (vol.60)

get "Brothers in Arms"60回目になるこの『おすすめCD』ですが、今までに紹介してきた中の8割はアメリカとカナダのミュージシャンでした。イギリスだと Pink FloydQueen・・・、彼らはイギリスとは言い切れませんよね。他には Joe JacksonPrimal ScreamJoe もニュー・ヨークに渡った後のアルバムの紹介だったし、Primal Scream で紹介したのは "Give Out but Don't Give Up" でしたから、特にアメリカ南部のサウンドを狙ったアルバムでした。

別に、国籍で音楽を聴くつもりはないんですよ。だけど、これって自然にそうなっちゃうんですよね。アメリカン・ルーツ系の音が好きで、特にカントリーがかったロックにのめり込んでいたあたしには、『イイな』と思うとアメリカのミュージシャンっていう事が多いんです。他の国の人でも、アメリカっぽいサウンドだったりね。

だから今回ご紹介する Dire Straits も、イギリス出身ながらアメリカの香りを感じられるバンドだと思います。Mark Knopfler の飄々としたヴォーカルは Bob Dylan と比べられたし、乾いたギターの音色は特にアメリカ的と言えるでしょう。それに彼らは、デビュー直後からアメリカのマーケットを見た活動をしてきたしね。だけど、そんな中にも皮肉やユーモアを感じさせてくれるのは、やっぱりイギリス人だからでしょうか。そして、そんなバランス感覚がこのバンドの魅力だなと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 音楽, 1980年代, アメリカン・ルーツ | comments

パッションワークス / ハート 1983年
進藤むつみのおすすめCD (vol.59)

get "Passionworks"Heart のアルバムを1枚紹介するとしたら、普通はこの "Passionworks" ではないでしょう。傑作デビュー・アルバムの "Dramboat Annie" か、代表曲 "Barracuda" を収録した "Little Queen" か・・・。いえ、復活後の Heart を思い浮かべる人の方が多いかもしれませんね。そのものズバリのアルバム・タイトルを付けた "Heart" か、復活第2弾の "Bad Animals" か・・・。

ただ復活後の彼等は、完全に売る事を目的にしてしまったと思うんです。例えば80年代後半のヒット曲って、全て外部のライターが書いた曲なんですよね。いいえ、悪いなんて言いません。特に "Bad Animals" のズッシリと密度の濃いサウンドは、80年代後半のミュージック・シーンを代表するアルバムと言えるでしょう。だけど、Ann & Nancy Wilson 姉妹を中心に曲作りをしてきた Heart、ハードなスタイルに拘ってきた初期の彼等を知っていると、ちょっと悲しくなってしまうんです。

もっとも、低迷した時期の彼等にしてみれば、それどころじゃなかったのでしょうね。活動していくためと、完全に割り切ったのだと思います。だって、もっとも売れなかったこの "Passionworks" は、初期のサウンドとはまた違う独特な静けさを持つアルバムで、もっと高い評価を得て当然と思えるクオリティーがあったのですから。そして、この静けさこそがあたしが気に入ってるトコで、なにか復活前夜を思わせるような気がするんです。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 音楽, 1980年代, ロック | comments

ハイドラ / TOTO 1979年
進藤むつみのおすすめCD (vol.58)

get "Hydra"恐るべき実力派ミュージシャン集団 TOTO。彼等のメンバーの中で一番好きなのは誰ですか?。跳ねるようなドラムスの Jeffrey Porcaro、ギターのお手本と言われ多くのフォロワーを生みだした Steve Lukather、ジャジーなピアノと美しいメロディーを作る David Paich、きらびやかなシンセサイザーを操る Steve Porcaro、ハイトーン・ヴォイスが魅力の Bobby Kimball・・・。実はあたしが一番好きだったのは、ベースの David Hungate でした。だって、彼が一番美形なんですもの♪。えっ、顔で音楽を聴くなって?。はい、気をつけます(笑)。

冗談はさておいて、TOTO の魅力のひとつには、独特なリズムがあったと思うんです。それは、Jeff のドラム・プレイによるところが大きいのはもちろんですが、David Hungate のファンキーなベースと一体になる事で、魅力が増幅されていたような気がするんですね。だから、冗談じゃなくても David Hungate が一番好きで、そうやって聴き始めると彼等のアルバムであたしが好きなのは、デビュー・アルバムから "IV" までになっちゃうんですよね。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 音楽, 1970年代, ロック | comments

ザ・ウォール / ピンク・フロイド 1979年
進藤むつみのおすすめCD (vol.57)

get "the Wall"the Dark Side of the Moon / Pink Floyd から続く)

どのバンドにも歴史があるように、Pink Floyd も幾つかの時代に分ける事ができます。まず最初は天才 Syd Barrett が在籍したデビュー当時。この時代のアルバムは "the Piper at the Gates of Dawn" だけなのですが、他の時代と一緒に考える事はできないでしょう。

そして第2期は、68年の "a Saucerful of Secrets" から72年の "Obscured by Clouds" まで(通常のスタジオ盤3枚とサントラ2枚、ライヴと実質ソロのカップリング1組)。第3期は "the Dark Side of the Moon""Wish You Were Here" の2枚。ここまでは、前回の "the Dark Side of the Moon" の中でお話してきました。

もちろん人によって見方は違うと思います。2期と3期を合わせて考えるのもアリだし、3期と今回お話する時代を合わせる考えもありでしょう。ただ、あたしはこれからお話しする、Roger Waters が強烈なリーダーシップをとった時代は分けて考えたいと思うんです。そして、その後にもう一つ訪れる時代も・・・。

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狂気 / ピンク・フロイド 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.56)

get "the Dark Side of the Moon"個人的な話になりますが、あたしが初めて聴いた洋楽のアルバムは、この "the Dark Side of the Moon" でした。もちろんラジオから流れてきたり、映画で使われたものなど耳にする曲は多かったものの、アルバムを通して楽しむという考えはその頃ありませんでした。そしてこのアルバムを聴いた感想は・・・、もう衝撃的の一言につきます。その当時でさえ古かったアルバムが、これほどの感動を与えてくれるなんて。あたしは邦楽を聴くのを止めてしまったくらいでした。

どっぷりと Pink Floyd にのめり込んだ後は、Yes, E,L&P, King Crimson、そして Led Zeppelin, the Who, Jeff Beck・・・。えっ、今と全然趣味が違うって?。まあ、だけどこの辺りは基本ですからね。それでもどのミュージシャンを聴くにしろ、アルバムとして意識して聴くようになったのは、この Pink Floyd の影響だったのかもしれません。

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アノダイン / アンクル・テュペロ 1993年
進藤むつみのおすすめCD (vol.55)

get "Anodyne"前回の Johnny Cash のご紹介では、カントリー音楽界からのオルタナ・カントリーへのアプローチのお話をしました。それまでのカントリーの枠に収まり切らなくなったサウンドは、まさにオルタナ・カントリーと呼ぶに相応しい音楽スタイルと言えるでしょう。ただし、オルタナ・カントリーというジャンルの主流は、パンクを中心としたロック・アーティストからのアプローチだと思うんです。

Son Volt, Wilco, the Jayhawks, Whiskeytown (=Ryan Adams), Blue Mountain, the Bottle Rockets・・・。1990年前後から、たくさんのバンドが同時多発的に登場しました。どのバンドも強烈な個性を持ち、またパンクやロックなどをベースにしながらも、強いカントリーへの敬愛が感じられます。表面的なサウンドだけカントリーを真似しているんじゃない、その精神をも取り込もうとしてると思うんです。このへんは60年代の後半、Gram ParsonsMichael Nesmith 等がカントリーにアプローチした『カントリー・ロック』に、とてもよく似ていると思います。

同時期に登場したミュージシャンが、お互いに影響を投げかけながら成長していくのだから、どのバンドが源流とは言えないでしょう。本当の意味ではカントリー・ロックにまで遡るでしょうし、70〜80年代にもその精神を守ってきたバンドはありました。しかし、90年代以降のブームと呼べるほどのオルタナ・カントリーの源流は、今回ご紹介する Uncle Tupelo と言っても良いと思います。登場した時代はもちろんですが、その後のシーンをリードする二人のアーティスト、なんと Son Volt を率いる Jay FarrarWilco を率いる Jeff Tweedy が組んでいたバンドだからです。

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アンチェインド〜自由であれ! / ジョニー・キャッシュ 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.54)

get "Unchained"オルタナ・カントリーにアプローチしてくるミュージシャンには、大きく分けてふたつのパターンがあると思います。ひとつは WilcoRyan Adams に代表される、パンクを中心としたロック・アーティストからのアプローチ。主流はこちらでしょう。スタイルだけの真似なんかじゃないんです。カントリーへの敬愛を持ってアプローチしてくるんです。このあたりは次回の Uncle Tupelo の紹介の時、詳しくお話したいと思います。

そしてもう一つ、それまでの枠に収まり切らなくなった、カントリー音楽界からのアプローチ。Johnny CashEmmylou Harris ら大御所の動きは、保守的で型にはまった業界を驚かせました。だけど、元々カントリーって保守的な音楽じゃないと思うんです。果たして Hank Williams は保守的でしょうか?。そんな事ありませんよね。60年代以降スタイルを重視したカントリーが増えた事で、保守的で無難な音楽に変わってしまっただけだと思うんです。もちろん70年代にナッシュビルに反旗をひるがえした、Willie Nelson などの例もありますけどね。

型にはまらないスタイル・・・。近年の Emmylou Harris は、それこそ前人未到の音楽を作り続けています。対して Jonny Cash は・・・、何も変わっていないんですよね。もちろんサウンド・アプローチにオルタナ的なものはありますが、それよりも精神的なものの方が大きいんです。その Johnny Cash の精神は、実はデビューからずっと変わらずにいて、そして強烈な個性を発しているんです。

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1977年 進藤むつみのおすすめCD (vol.53)

天野滋さん急死...フォークグループ「NSP」のリーダー

 「夕暮れ時はさびしそう」「線香花火」などのヒット曲で知られるフォークグループ「NSP」のリーダーでボーカル、天野滋さんが1日午後、脳内出血のため都内の病院で死去していたことが4日、わかった。52歳だった。葬儀・告別式は故人の希望で3日にメンバーと近親者で営まれた。(Yahoo! News より抜粋)


get "NSP"NSP天野滋 も、今はご存知ない方の方が多いのではないかと思います。70年代を代表するフォークグループといっても、派手な活動やパフォーマンスではなかったし、もしかしたらアルバムを聴いたとしても知らない曲ばかりと思われるかもしれません。

だけど、逆に派手ではなかった分、一度その魅力に取り憑かれたならば、きっと心の原風景のようになってしまうと思うんです。そう、素朴で繊細な彼等の歌の世界は、ひっそりとファンの心の中に生き続けているんです。

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アンダー・ザ・テーブル・アンド・ドリーミング / デイヴ・マシューズ・バンド 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.52)

get "under the Table and Dreaming"この Dave Matthews Band が日本で受け入れられない理由は、いったい何なのでしょう。ライヴ活動を精力的にこなすジャムバンドだから?。確かに日本では、その手のバンドって売れ難いんですよね。だけど、今やアメリカで一番集客力のあるバンドなんですよね。あまりにも日本との落差が、大きすぎるような気がします。

ロック、ジャズ、ファンク、ブルースなど、多彩な音楽を飲み込んだ幅の広さや、ギター、ベース、ドラムス、サックス、ヴァイオリンといった独特の楽器編成・・・、この辺にあるのでしょうか?。しかも Dave Matthews の奏でるギターって、アコースティック・ギターなんですよね。エレキ・ギターの入らない、またキーボードの入らないサウンドが取っつき難いのでしょうか?。いいえ、初めて聞いた方でも、違和感を感じる事はないでしょう。それほど纏まりのあるサウンドだと思うんです。

メンバーの顔が悪いから?・・・(笑)。確かに Dave のおっさんぶりを含めて、いつまでも見飽きない個性的な顔が並んでますが、それはここでは置いておきましょう。

ライヴの集客力もそうだし、ローリング・ストーン誌の読者投票『20世紀のベスト・ソングライター』で、Lennon / McCartney を上回る6位にランクされるなど、圧倒的な人気を誇る彼等が、日本でだけ売れないのはホントに悲しく思います。そしてそんなバンドこそ、ここで紹介させてもらいたいと思うんです。

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妖しき夜 / マジー・スター 1993年
進藤むつみのおすすめCD (vol.51)

get "So Tonight That I Might See"Mazzy Star のサウンドは不思議です。奇妙といっても良いかもしれません。サイケ色強いサウンドは、リーダーの David Roback のものでしょう。彼は80年代初頭から「ペイズリー・アンダーグランド」と呼ばれた、サイケデリック・リバイバル・ムーヴメントの中心にいましたから。ただし、淡々と繰り返すコード進行に余韻を残すサウンド作りは、この Mazzy Star の活動の中で研ぎ澄まされていったような気がします。

しかし、そんな独特のサウンドを飲み込んでしまうほど、Hope Sandoval のヴォーカルの魅力が占める割合が高いんです。幽玄といえばいいのでしょうか。霞がかかった闇の中から響いてくる細い声。それは幽体離脱した魂の叫びのようにも思えます。「午前3時の音楽を目指している」といわれたのは Cowboy Junkies ですが、もしかしたら Mazzy Star の音楽の方が、真夜中に相応しいのかもしれません。

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ブラインド・メロン / ブラインド・メロン 1992年
進藤むつみのおすすめCD (vol.50)

get "Blind Melon"熱心なファン以外の方は、Blind Melon というバンドをどのようなイメージで捉えているのでしょう。90年代風アメリカン・ハードロック?。だけど、あたしはそれにしては線が細いような気がするんです。素朴すぎると言ってもいいでしょうか。オルタナと呼べる部分はあるけれど、決してグランジ系ではありませんしね。

それでは、スマッシュヒットした "No Rain" のPVのイメージでしょうか。確かにカントリー風のサウンドも、彼等の重要なベースのひとつです。それでも『ミツバチ少女』と野原を駈けているヒッピー風のPVの印象で、彼等を捉えてしまうのは危険だと思うんです。事実そのイメージを拭うために、彼等は相当苦労したようです。

彼等はしっかりとルーツに根ざしたサウンドを得意としながら、その上でハードなアプローチを、独創的な曲展開を繰り広げていました。メンバーはかなりの実力派といっても良いでしょう。そして、なにより Shanon Hoon のヴォーカル・・・、その魅力が大きかったのだと思います。だみ声とまではいかなくても、かすれたような彼の声。だけど、その歌声の瑞々しさは、少年のように思えるくらいなんです。

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アンジャニュウ / k.d. ラング 1992年
進藤むつみのおすすめCD (vol.49)

get "Ingenue"もちろんこの "Ingénue" を含めての話になりますが、90年以降の k.d. lang を知る人には、元々彼女がカントリー・シンガーだったとは信じられないでしょう。単純に音楽のスタイルを変え、カントリーから離れていったから言うのではありません。幅の広いサウンド・アプローチといい、クオリティの高い楽曲といい、ひとつの、それも保守的なカントリーの枠に収めておくのは無理だよなと、あたしは思うんです。

実際彼女は、ちょっとしたカントリー・シンガーだったわけじゃないんですよね。インディからデビューした当時から、地元カナダでは「最も期待される女性シンガー」と注目され、メジャーデビュー後はグラミー賞の「最優秀カントリー女性ヴォーカル賞」を受賞する程の歌手だったんです。そんな k.d. が保守的なカントリー界から脱皮するには、大きな決心が必要だったでしょう。しかし、そこから開放された事で、大きく成長する彼女の姿を見る事ができたのだと思います。

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タンゴ・イン・ザ・ナイト / フリートウッド・マック 1987年
進藤むつみのおすすめCD (vol.48)

get "Tango in the Night"なんという、甘く美しいサウンドでしょうか。そして、恐ろしいほどのハイ・クオリティ。まったく5年間も解散状態にあったバンドが、こんな音を出せるものなのでしょうか。Lindsey Buckingham, Christine McVie, Stevie Nicks。強烈な個性を持った3人が、時にバックに回る事で、フロントに立つ歌手の魅力を更に引き立てています。そして、民主主義に従うように、交代で彼等らしい完璧なアルバムの流れを作っています。

もともと Fleetwood Mac は、フロントマンをチェンジする事で作品を作ってきたバンドでした。メンバーチェンジによる新鮮な風の呼び込み、そして新しい血肉による躍動。ひとつのアルバムの中でも当然、時代ごとに作風もまったく変わっています。メンバーチェンジの多いバンドといえるでしょう。そんな彼等の歴史の中で、黄金期と呼べるメンバーによる最後のアルバムが、この "Tango in the Night" なのです。

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出逢いのときめき / ブレンダ・ラッセル 1983年
進藤むつみのおすすめCD (vol.47)

get "Two Eyes"47回目になるこのCD紹介ですが、黒人アーティストの紹介は、今回が実は初めてになります。ルーツ・ミュージック好きのあたしにとって、R&B やブルースは重要な音楽だし、スワンプ感のあるサウンドも好きなんです。だけど、黒人アーティストがストレートにシャウトすると、ちょっとあたしには濃すぎちゃうんですよね。

もちろん黒人・白人という事で、聴く音楽を変えてるつもりはありません。実際、ロックやポップスの中心にいる黒人ミュージシャンも多いし、白人でもソウル・フィーリング溢れるヴォーカルを聴かせる人もいます。例えば以前紹介した Joan Osborne みたいにね。だけど、歌が上手で強烈に黒っぽい彼女にしても、やはり白人が歌ったソウル、ブルー・アイド・ソウルなんだと思います。そのくらいが、あたしにはちょうど良いんですよね。こんな話をすると、ブラック好きの人には笑われそうですけども。

さて、そんなあたしが紹介する黒人アーティストは、だから逆に黒っぽくない人になります。この Brenda Russell は、AOR を歌うシンガー・ソング・ライターで、ブルー・アイド・ソウルの感覚で聴けるかもしれません。事実、彼女が最も影響を受けたアーティストとして名前を挙げるのは、 Laura NyroCarole King だそうですから。まあ Laura の歌声は、黒人にしか聞こえませんけどね。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2005 in 音楽, 1980年代, シンガー・ソングライター | comment

ロング・バケイション / 大滝詠一 1981年
進藤むつみのおすすめCD (vol.46)

get "a Long Vacation"このアルバムの魅力を一言で言うならば、歌手 大滝詠一 を最大限に生かしたサウンドだと思います。もちろん素晴らしい曲が並んでいます。どの曲のメロディーも詩も、ウォール・オブ・サウンドをはじめとして、フォーク調、またはロックン・ロールなど様々なアレンジも、全てが文句の付け所のないほど優れています。

だけど、これってプロデューサー 大滝詠一 が、歌手の 大滝詠一 を生かすための曲を書いて、その世界を広げるために 松本隆 を作詞家に起用して、そして曲によっての演奏も、やはり歌を生かすためのものだったと思うんですよね。過去に色んなタイプのアルバムを発表してきた人だけど、ここまで自身のヴォーカル・アルバムに拘ったのは初めてだったような気がします。

そしてもうひとつ、集大成のアルバムだったと思います。彼自身の音楽活動の集大成、そしてアナログ・レコーディングの集大成。そうして完成したこの "ロング・バケイション" は、日本のポピュラー音楽史上、最高傑作のアルバムになりました。過去にこれだけのアルバムはなかったし、これ以降もこれを越えるアルバムは創られていません。大丈夫、あたしは言い切っちゃいます。ええ、後悔しません(笑)。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2005 in 音楽, 1980年代, 日本 | comments

まぼろしの世界 / ドアーズ 1967年
進藤むつみのおすすめCD (vol.45)

get "Strange Days"強烈な個性を持つ Jim Morrison の詩とヴォーカル。そして、コンサート中に逮捕されるなどの、過激なパフォーマンスや発言。その当時はもちろんのこと、その後も長い間に渡ってフォロワーを生み出し、パンクやニューウェーヴのミュージシャンに与えた影響を考えると、彼の存在が神話扱いされたのも理解できると思います。まさに Morrison の持つカリスマ性こそが、the Doors の魅力の中心であることは間違いないでしょう。

しかし、それだけで彼等を語る事はできないと思うんです。ベースレスという特殊なバンド編成を感じさせないほど、キーボードの Ray Manzarek を中心とした彼等の演奏テクニックは素晴らしいものです。そして Robby Krieger のポップな作曲センスは、Morrison の曲作りが不調の時期でさえ、ヒット曲を生み出すだけの力を持っていました。だから、Morrison のカリスマ性が中心なのはもちろんですが、メンバーそれぞれの力が合わさって、バンドの魅力になっているのだと思います。

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アンクル・チャーリーと愛犬テディ / ニッティー・グリッティー・ダート・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.44)

get "Uncle Charlie & His Dog Teddy"カントリー・ロック黎明期に、重要なアルバムを発表してきたミュージシャンといえば、 Gram Parsons と彼が在籍した the Byrdsthe Flying Burrito BrothersJim MessinaRichie Furay らが結成した Poco。元 MonkeesMichael Nesmith。そして、極め付けは Eagles でしょうか。ホントに名前を挙げるとキリがありませんが、それぞれに個性溢れるサウンドが魅力です。

その中でこの the Nitty Gritty Dirt Band は、カントリー・ロックというジャンルには収まらない音楽スタイルを展開しました。ロック、カントリー、ブルーグラス、フォーク、ブルース、R&B・・・。おそらく白人も黒人も関係ない、アメリカのルーツ系ミュージックの全てを飲み込んだサウンド。そんな独特のスタイルがこのバンドの特徴であり、他のバンドに比べて一回り大きく感じさせる要因なんだと思います。

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オールド・タイム・レイディ / マリア・マルダー 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.43)

get "Maria Muldaur"数多くのグッド・タイム・ミュージック(オールド・タイム・ミュージック)の中で、この Maria Muldaur のソロ・デビュー作は、最も成功したアルバムでしょう。そして時代を越えて、今でも多くのファンに愛され続けているアルバムだと思います。

グッド・タイム・ミュージックとは、古き良き時代の音楽・・・、1920〜30年代のサウンドを、現代の目で見て再評価した音楽といえるでしょうか。例えば90年代に入ってからも Squirrel Nut Zippers の活躍などがありますが、70年代に注目されたジャンルのひとつです。そしてその中で、このアルバムが頂点にあるような気がするんです。

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ナチュラリー / J.J. ケイル 1971年
進藤むつみのおすすめCD (vol.42)

get "Naturally"地味ですか?。確かに派手さはありません。流行なんて自分とは関係ないと、決めつけてるような人でしょう。チョロチョロっと弾くギター、ボソボソっと語りかけるようなヴォーカル。ギター弾きまくりアルバムを期待して聴いた人は、最初はガッカリするしれません。もっとも、J.J. Cale のスワンプ感は独特ですから、すぐに良さに気付くと思いますけどね。

そして独特といえばもうひとつ、彼のサウンドって強烈に密度が濃いんです。もちろん、音の数じゃなくってね。だいたい12曲を計6日で録っちゃうんですから、録音はほとんどライヴ感覚でしょう。それに、音色自体も太くはないんです。飄々とした演奏なのに、実はひとつひとつの音がシッカリしていて、出来上がったサウンドは強烈な密度の空間を構成している・・・。そういう事が、彼の音楽の一番の特徴なんだと思います。

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愛はすぐそばに / ヴァレリー・カーター 1977年
進藤むつみのおすすめCD (vol.41)

get "Just a Stone's Throw Away"Valerie Carter の一番の魅力は何なのでしょう。透明感のある瑞々しさや、可憐で愛らしいさまなのでしょうか。確かにこのソロ・デビュー作を初めて聴いた時には、そんな第一印象を持たれるかもしれません。

だけど、当時親交のあった、多くの実力派ミュージシャンのバックアップを受けて製作された、この "Just a Stone's Throw Away"。ルーズなロックから、フォーク、ファンクまで、様々なエッセンスを含んだこのアルバムを聴き込んでいくにつれ、彼女の可能性の高さと力強さを感じるのではないでしょうか。可憐さと力強さ。そんなアンバランスさこそ、彼女の、そしてこのアルバムの魅力なんじゃないかと思います。

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ガウチョ / スティーリー・ダン 1980年
進藤むつみのおすすめCD (vol.40)

get "Gaucho"美しいアルバムです。洗練された甘美なサウンドは、究極と言っても良いでしょう。一流ミュージシャンを贅沢なまでに配し、寸分の隙もないサウンドを作り上げました。更に、毒を含んだ抽象的な歌詞が、陰影に富んだ奥行きを感じさせます。

しかし、傑作と誉れ高い前作 "Aja" の躍動感や、2年後に発表される Donald Fagen のソロ、"the Nightfly" のような生っぽさがないのは何故なのでしょう。曲作りやスタッフに変わりはないのに、この "Gaucho" を聴くと息苦しい感じがします。デビュー以来進めてきた録音方法の限界、理想に到達してしまったが故の閉塞感が、漂っているのでしょうか。そのあたりを考えるには、「Steely Dan はどのようなコンセプトだったのか?」から、お話しなければなりません。

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ギヴ・アウト・バット・ドント・ギヴ・アップ / プライマル・スクリーム 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.39)

get "Give Out but Don't Give Up"この Primal Scream のことは、何と言って説明すればいいのでしょう。初期のギター・ポップから、パンク、ハウスと、コロコロ変わる音楽スタイル。アルバムごとにサウンドを変えるミュージシャンはいても、まったく別のバンドと思える程スタイルを変えてしまうのはどうかなと思います。それも、全てヴァーチャルというか、偽物臭さが漂うんですよね。共通しているのは、Bobby Gillespie のヘナヘナしたヴォーカルだけ。

しかし、だからこそこのアルバムが生まれたのかもしれません。そして、このアルバムの事だけは、声を高くしてお話しなければなりません。プロデューサーに Tom DowdGeorge Drakoulias を迎え、メンフィスで録音された "Give Out but Don't Give Up"。強烈なルーツ色、南部音楽の香りがしてきます。まるで70年前後の the Rolling Stones と同じようなサウンド。そう、Stones が一番魅力的だった頃のね。・・・ただし、もっと偽物っぽいですけど(笑)。

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レリッシュ / ジョーン・オズボーン 1995年
進藤むつみのおすすめCD (vol.38)

get "Relish" Sheryl Crow の成功以降、90年代半ばには数多くの女性シンガー・ソングライターが登場しました。Jewel, Heather Nova, Fiona Apple・・・。その中で(こんな括り方もどうかと思いますが)一番成功したのは Alanis Morissette でしょう。

だけど、最も歌が上手かったのは Joan Osborne だったと思います。同世代の他のシンガーに比べて、飛び抜けて上手。声も良いし、説得力もあるしね。しかも、ブルース/R&B をベースにした、強烈なルーツ系ロック・シンガーなんですよ。ルーツ系ロック好きのあたしとしては、彼女を紹介しない訳にはいかないのです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2005 in 音楽, 1990年代, アメリカン・ルーツ | comments | trackback(1)

キュアー・フォー・ペイン / モーフィーン 1993年
進藤むつみのおすすめCD (vol.37)

get "Cure for Pain"3人でロック・バンドを組むとしたら、どんな楽器編成を思い浮かべますか?。ドラム、ベース、ギター?。もっともポピュラーな編成ですね。幅広いスタイルのロックに対応できるでしょう。えっ?、ドラム、ベース、キーボード?。うん、あたしもそれはアリだと思います。面白いサウンドが期待できますよね。まあ、ドラムとベースは必須、もうひとつの楽器を何にするかじゃないでしょうか。それも突飛な楽器じゃムリだしね。

だけど、この Morphine はドラム、ベース、バリトンサックスの3人編成。ロック・バンドでは、過去に例を見ない楽器編成じゃないでしょうか。しかも、ドラムのチューニングも低いし、2弦のベースを全てスライドで弾いてるし。曲によってはテナーサックスに持ち替えてますが、そのくらいじゃフォローできないほど、重心の低い独特のサウンドが広がります。

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リヴァイヴァル / ギリアン・ウェルチ 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.36)

get "Revival"初めて Gillian Welch の歌を耳にする時、きっと誰もがこのアルバムの発売日を確かめてしまうでしょう。「ネオ・フォーク・リヴァイヴァルの旗手」というレコード会社の売り文句。ブルーグラス系フォーク調や、カントリー・タッチのサウンド。確かに聴いたその一瞬は、懐かしい時代を感じさせてくれるんです。更に、ジャケット写真の姿も見てしまえば、少なくても50年、素直な感覚でいえば戦前まで時代を遡ってしまうと思います。

だけど、やっぱり彼女は90年代のアーチストです。この "Revival" を聴き終わる頃、「ネオ・フォーク・リヴァイヴァル?、オルタナ・カントリーでしょ!」、ほとんどの人はそう口にしたくなるじゃないでしょうか。ギター弾き語りベースのサウンドにして、このオルタナ感覚。これは彼女の感性はもちろんのこと、パートナーの David Rawlings の才能と、プロデューサーの T Bone Burnett の力など、色んな要素が合わさった結果であり、どれかひとつでも欠けてしまったら、このアルバムから流れてくる空気は違うものだったと思います。

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ジョージア・サテライツ / ジョージア・サテライツ 1986年
進藤むつみのおすすめCD (vol.35)

get "Georgia Satellite"あたしは現実にアメリカに行った事はないんだけど、音楽を聴いていると、その土地ごとに特色があるのが分かります。アメリカン・ロックの中でも、そうなんですよね。東海岸、西海岸、南部なんて大ざっぱな分け方はもちろん、例えば同じカリフォルニア州でも、ロサンゼルスとサン・フランシスコの音は違います。たぶん、比べるつもりはなくても、たくさん聴けば感じる事ができると思います。

さて、この Georgea Satellites は、その名の通りジョージア州アトランタ出身のバンドです。南部の匂いをたっぷり漂わせたストレートな R&R で、ぐいぐい押してくるのが魅力的です。でもね、このバンドのメンバーへのインタビューを読んだ時に思ったんです。同じジョージア州のアトランタとアセンズだったかな、そのロックの違いは何かって。その答えは・・・「アトランタのが音がでかい」そうです(笑)。単純な答に笑ってしまったあたしですけども、ホントは R&R の聴き方なんて、そんなもんでいいのかもしれません。

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ホット・スペース / クイーン 1982年
進藤むつみのおすすめCD (vol.34)

get "Hot Space"それこそ、数ある Queen のアルバムから "Hot Space" を持ち出してくるだけで、あたしの趣味が疑われるのは分かっています。なにしろ彼等のアルバムの中で異色作なのはもちろん、「82年最も期待外れだったアルバム」と音楽誌で評されたくらいですから。どうしてこのアルバムは、そんな評価を受けたのでしょう。そのあたりを考えていくのに、まずは彼等のサウンドの特徴をお話してみたいと思います。


Queen は1971年に結成、73年にデビューを飾ります。当初イギリスでは受け入れられずに、日本から火がついたのは有名な話です。その頃からオペラ・ヴォイスと呼ばれた Freddie Mercury の歌声は特徴的ですが(あたしは、世界一美しい声を持つロック・ヴォーカリストだと思っています)、サウンドとしてはストレートなロックでした。意外にハードなね。少しずつサウンドを変えていく彼等ですが、最も Queen らしいアルバムといえば、75年の "a Night at the Opera" になるでしょう。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2005 in 音楽, 1980年代, ロック | comments

オートアメリカン / ブロンディ 1980年
進藤むつみのおすすめCD (vol.33)

get "Autoamerican"Blondie は、この時代のニューヨーク・パンク出身の中で、最高の成功を収めたバンドでしょう。ただ、ポップス/ニューウェーヴへとサウンドを変換していく中、意外に低い評価を受けているような気がします。これは、ヴォーカルの Deborah Harry がセックス・シンボルとして注目され、唇に億単位の保険をかけるなどのエピソードも、軽く見られた一因に思えます。

だけど、Deborah にとって評価なんて、たいした問題ではないのかもしれません。順調に音楽キャリアを積み重ねてきたように見える彼女ですが、1968年に別のバンドで失敗した後、ウエイトレスやバニーガールをしながら、再デビューの道を探っていたそうです。ファースト・アルバムの発売時に、すでに31歳だった彼女にとって、Blondie は敗者復活戦だったんですから。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2005 in 音楽, 1980年代, ロック | comments

ライヴ・アット・ブルーノート東京 / ミシェル・ペトルチアーニ、スティーヴ・ガッド、アンソニー・ジャクソン 1999年
進藤むつみのおすすめCD (vol.32)

get "Trio in Tokyo"ジャズ喫茶に入り浸ってたわりには、あたしはあまりジャズに詳しくありません。好きなんですよ。だけど、プレイヤーの歴史や演奏に関する知識は、何も分からないのと同じ位です。ただこんなあたしでも、どうしてもお話したいジャズのアルバムがあるんです。このアルバムはその中の1枚、Michel Petrucciani がこの世を去る約1年前、1997年11月にブルーノート東京で録音されたライヴです。最高のジャズ・トリオの演奏です。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2004 in 音楽, 1990年代, ジャズ | comment

コロッサル・ヘッド / ロス・ロボス 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.31)

get "Colossal Head"もし "La Bamba" しか Los Lobos を聴いた事がないとしたら、いえ、テックス・メック系の音楽としてしか彼等を捉えてないのなら、それは非常にもったいない事だと思います。

なにしろこのバンドは、90年代屈指のルーツ・ロックを奏でながら、強烈なオルタナティヴ指向を持っている・・・ 本来、相反すると思われる要素を、平然と同居させているんです。更に実験的な事も、さらっと流していてね。こんなに深い懐を持ったロック・バンドは、他にそうはいないのではないでしょうか。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2004 in 音楽, 1990年代, アメリカン・ルーツ | comments

化けもの / デイヴィッド・リンドレー 1981年
進藤むつみのおすすめCD (vol.30)

get "El Rayo- X"この人、「弦楽器の魔術師」などと呼ばれますが、もっと分かりやすく言ってしまえば「弦楽器フェチ」ですね(笑)。ギタリスト/フィドラーとして有名ですが、他にもスティール・ギター、バンジョー、マンドリン、ドブロ、ベース、ブズーキ・・・、もう弦楽器ならなんでも弾きこなします。そして、それが器用貧乏になってないんですよ。何を弾いても一級品。他のアーティストのバック・ミュージシャンとして参加していながら、時には主役よりも素晴らしい演奏を聴く事もできます。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2004 in 音楽, 1980年代, アメリカン・ルーツ | comments

G / ガービッジ 1995年
進藤むつみのおすすめCD (vol.29)

get "Garbage"このバンドを率いる Butch Vig は、90年代オルタナティヴ・ロック・シーンの、最重要プロデューサーといえるでしょう。なにしろ Nirvana"Nevermind"Sonic Youth"Dirty"the Smashing Pumpkins"Siamese Dream" など、ロック史に残る名盤を次々に生み出してきました。そして、彼がたまたまMTVで見かけたという Shirley Manson の出会いが、バンドの誕生に大きな意味を持つ事になります。

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黒船 / サディスティック・ミカ・バンド 1974年
進藤むつみのおすすめCD (vol.28)

get "Black Ship"仮に聴いた事がなかったとしても、この "黒船" を知らない人はいないでしょう。このアルバムは、日本のロック史に燦然と輝く歴史的名盤です。そして、サディステック・ミカ・バンド を率いた 加藤和彦 は、日本が世界に誇るべき最高のアーティストだと思うんです。

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レヴェリング - レコニング / アーニー・ディフランコ 2001年
進藤むつみのおすすめCD (vol.27)

get "Revelling, Reckoning"Ani Difranco の音楽を、ひと言で言い表すのは難しい事です。元々はフォークをベースにした、アコースティック・パンクになるのでしょう。あたしは彼女の歯切れの良いギター・カッティングをはじめて聴いた時、とても驚きました。しかしその後バンド・スタイルになり、更に様々なエッセンスを取り入れるにつれて、簡単に説明できるジャンルではなくなってしまいました。これはデビュー以来全てのアルバムを、自身が経営するインディ・レーベルのライチャス・ベイブから発売するというスタイルが、彼女の音楽性の自由さへと繋がったのかもしれません。

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ミニット・バイ・ミニット / ドゥービー・ブラザーズ 1978年
進藤むつみのおすすめCD (vol.26)

get "Minute by Minute"the Captain and Me / the Doobie Brothers から続く)

デビュー以来 the Doobie Brothers を引っ張ってきた Tom Johnston のリタイアにより、急遽メンバーに加わった Michael McDonald。彼の参加はバンドのサウンド自体を、大きく変える事になります。

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キャプテン・アンド・ミー / ドゥービー・ブラザーズ 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.25)

get "the Captain and Me"メンバーチェンジによって、サウンドを変えていくバンドは少なくありません。特に欧米のバンドは、ヴォーカルが変わる事さえも珍しくはなく、そのヴォーカルによって、第何期と考えなければならない場合もあります。しかし、the Doobie Brothers 程にそのバンド・スタイルを変え、そしてそれぞれに評価を受けたバンドは多くはないと思います。今回の『おすすめCD』では、Tom Johnston が引っ張った "the Captain and Me"、そして Michael McDonald をフィーチャーした "Minute by Minute" の2枚に分けてお話したいと思います。

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ボディ・アンド・ソウル / ジョー・ジャクソン 1984年
進藤むつみのおすすめCD (vol.24)

get "Body and Soul"Joe Jackson はイングランド生まれ。奨学金を受けてクラシックを学んだ程、豊かな才能を認められた人です。だけど、卒業後はクラシックではなく、ロックへとを足を進める事になりました。後に Tracy Chapman をプロデュースする David Kershenbaum に見出され、ビート・ロック感覚溢れる "Look Sharp!" でデビュー。すぐさま母国イギリスだけでなく、アメリカでも注目を浴びる事になります。

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トリニティ・セッション / カウボーイ・ジャンキーズ 1988年
進藤むつみのおすすめCD (vol.23)

get "the Trinity Session"彼等の地元トロントの教会で、たった1本のマイクを使ってレコーディングされた、この "the Trinity Session" は、信じられない程に静かで穏やかなアルバムです。そして無駄な音を極限まで廃した、透き通った透明感のあるサウンド。彼等の音楽を「静寂か喧騒か」と問われれば、誰もが静寂と答えるでしょう。「午前3時の音楽を目指している」と評されたと聞くと、妙に納得できるくらいですから。だけど、その穏やかなサウンドの裏に潜んだ、彼等の個性や音楽に対する情熱を感じるのには、そう時間はかからないと思うんです。

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ネヴァーマインド / ニルヴァーナ 1991年
進藤むつみのおすすめCD (vol.22)

get " Nevermind"なにも今さら言うまでもなく、"Nevermind" は90年代の最重要アルバムである事はもちろん、ロック史上片手で数えなければならない程のアルバムでしょう。それは、単にセールス的(全米1位)な事を言ってるのではありません。オルタナティヴ・ロック、グランジのミュージック・シーンに与えた影響は、後進のミュージシャンにとどまらず、ベテラン・アーティストを唸らせ、レコード会社の姿勢をも変えさせてしまいます。もちろん、単純にとても素晴らしいアルバムなんです。しかし、何故そこまで認められるアルバムを、作り上げる事ができたのでしょうか。

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ホット / スクウィーレル・ナット・ジッパーズ 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.21)

get "Hot"あたしは Squirrel Nut Zippers のセカンド・アルバム、この "Hot" を初めて聞いた時、マジ笑ってしまいました。いえいえ、嬉しくてね。評判は聞いていたんですよ。それにしても、ここまで見事なグッド・タイム・ミュージックとは思いませんでしたからね。

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ホリー・パーマー / ホリー・パーマー 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.20)

get "Holly Palmer" Rickie Lee Jones meets Al GreenHolly Palmer がデビューする時、レコード会社が用意したコピーです。うーん、そう言ってもいいのかな?。彼女は影響を受けたミュージシャンに、二人の名前を上げていますしね。だけど、彼女のこのデビュー・アルバムからは、誰の音楽とも比較できない、個性的で独特のグルーヴを持ったサウンドを聴く事ができます。

バークリー音楽院で特待生だったというのですから、この人相当の才女なんですね。しかも美しい!。いえ、顔を見て音楽を聞く訳ではないのですが、天は二物を与える事もあるんだと、嫉妬したくもなります。プロデューサーは Kenny White と本人。共同名義とはいえ、デビュー作からセルフ・プロデュースなのは、彼女の実力の高さの表れでしょう。

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ロマンティック / エアプレイ 1980年
進藤むつみのおすすめCD (vol.19)

get "Airplay"まさにこのアルバムのサウンドこそが、80年代AORそのものです。まあ『アメリカ西海岸のロック系』という、註釈を付けなければいけませんけどね♪。

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チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ / シェリル・クロウ 1993年
進藤むつみのおすすめCD (vol.18)

get "Tuesday Night Music Club"Sheryl Crow のセカンド・シングル "All I Wanna Do" は、文字通り時代をリードした曲でした。お洒落で垢抜けたサウンド、そして何気ない日常を巧みに描いた歌詞。90年代に登場した多くの女性シンガー・ソング・ライター、そのブームの先陣を切ったと言っても、異議を唱える人は少ないと思います。しかし、このデビュー・アルバムの他の曲はどうでしょうか。曲自体はオーソドックスなポップス、クラシックなロックの流れを汲んでるような気がします。

いえ、悪く言うつもりはありません。あたしが今まで聴いてきたアルバムの中で、もっともはまった1枚なんですから。だけど、セルフ・タイトルのセカンド (96年)、"the Globe Sessions" (98年)、そして "C'mon C'mon" (2002年) といった、その後の高レベルなアルバムとは、違う聴き方をしなければいけないと思うんです。時代の先進性を求めるのではなくてね。なにしろこの "Tuesday Night Music Club" は、彼女のルーツやベースにある音楽が、もっともストレートに出ているアルバムなんです。

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[Magnetic South] / マイケル・ネスミス&ザ・ファースト・ナショナル・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.17)

get "Magnetic South"Micahel Nesmith の名前を知っている人は、今は少ないかもしれません。この "Magnetic South" も、古いアルバムだしね。だけど、the Monkees のモミアゲさんと言えば年配の方は分かるかしら(笑)。いえいえ、元 Monkees だとバカにしてはいけませんよ。彼は元 the ByrdsGram Parsons と並んで、カントリー・ロック黎明期の重要人物の一人なんですから。

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センターフィールド / ジョン・フォガティ 1985年
進藤むつみのおすすめCD (vol.16)

get "Centerfield"John FogertyCreedence Clearwater Revival (以下 CCR) を率いて、一時代を築いたミュージシャンです。なにしろ CCR が活動した3年の間に、全米2位のシングル5曲を含めてヒットを連発(ただし1位はなし)、1970前後の音楽シーンをリードしました。その Fogerty のソロ3作目、大ヒットアルバムの Centerfield をご紹介します。

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イノセント・エイジ / ダン・フォーゲルバーグ 1981年
進藤むつみのおすすめCD (vol.15)

get "the Innocent Age"Dan Fogelberg がデビューした時のキャッチ・コピーは、 『たったひとりの CSN&Y』だそうです。アコースティックなサウンド、美しいハーモニー。もちろん、これらを指して言ったのでしょう。

だけど、1972年にデビューした頃は、繊細でありながらも地味なイメージが付き纏いました。多くの楽器を演奏するマルチ・プレイヤーぶりも、ノリが悪いなどと言われる始末。しかし、キャリアを重ねるごとに確実に実力をつけ、そんな評価を吹き飛ばしていきます。

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レット・ダート・ガール / エミルー・ハリス 2000年
進藤むつみのおすすめCD (vol.14)

get "Red Dirt Girl"Emmylou Harris は、カントリー・シンガーの大御所です。だけど、常に新しい事に挑戦してきた彼女の姿勢は、この "Red Dirt Girl" でも変わりません。それどころか、近年オルタナ・カントリー(彼女は自分ではアメリカーナと言ってます)に接近した彼女は、シーンを引っ張るほどのパワーを見せているんですよ。そしてこのアルバムでは、まさに前人未到、誰も歩いた事のない道を歩いているんです。

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ラーニング・トゥ・クロール / プリテンダーズ 1983年
進藤むつみのおすすめCD (vol.13)

get "Learning to Crawl"the Pretenders を率いる Chrissie Hynde(彼女がいるから the Pretenders とも言いますけど)は、世界で一番カッコイイ女性ロッカーだと思います。もう惚れ惚れしちゃうくらい。ロックっぽい音楽をしてる女性は多いけど、彼女は心の底からロックしてるんですよ。そんな Chrissie 率いる the Pretenders、彼等の3rdアルバムのご紹介です。

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ホテル・カリフォルニア / イーグルス 1976年
進藤むつみのおすすめCD (vol.12)

get "Hotel California"以前紹介した the Byrds"Sweetheart of the Rodeo" が、 最初のカントリー・ロックのアルバムだとしたら、この "Hotel California" は、 最後のカントリー・ロックのアルバムと言えるのではないでしょうか。もちろんいろんな見方があり、Eagles がデビューした時点で、既に「カントリー・ロックは死んだ」と言う人もいます。だけど、ロックが巨大産業化する中、このアルバムに閉じ込められた空気や思い(おそらく1976年のアメリカそのもの)は、カントリー・ロックの終焉に相応しいものだと思うんです。

1976年のアメリカ。それは建国200年に沸きながらも、ベトナム戦争の傷跡により、閉塞感や倦怠感を持っていたと言います。明るい未来を、素直に夢見る事が出来ない・・・。このアルバムを聞くと、そんな空気を感じるんです。いえ、理屈抜きに名盤、そして1曲目の "Hotel California" は、永遠にロックの歴史に残る名曲なんですけどね。

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バチェラー No.2 / エイミー・マン 1999年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.11)

get "Bachelor No.2"穏やかで、優しい音楽です。"Bachelor No.2" は、自然体で聞く事のできるアルバムです。きっとそれは、彼女の姿勢そのものなのでしょう。Aimee Mann は、類い稀なソングライターなんだと思います。そして、その上にカッコイイんですよ♪

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ゲイザー / 吉田美奈子 1990年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.10)

get "Gazer"吉田美奈子の古くからのファンの人は、"夢で逢えたら" (1976年) のように、ポップで爽やかなイメージがあるかもしれません。だけどこの "Gazer" は、物凄く強烈なファンクなんです。覚悟して聞かないと、吹き飛ばされちゃうくらいのね。

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天使か悪魔か / ジョン・クーガー・メレンキャンプ 1983年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.9)

get "Uh-Huh"John Mellencamp の音楽を聞くと、ある景色が思い浮かびます。それは農場の中を地平線までも延びる道、広大なアメリカの大地の姿です。彼は人口が2万人に満たない小さな町で、生まれ育ったそうです。すると、彼を育んだ景色が、そのまま歌われているのかもしれません。

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浪漫 / リッキー・リー・ジョーンズ 1979年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.8)

get "Rickie Lee Jones"今回はシンガー・ソングライター、 Rickie Lee Jones のデビュー・アルバムのご紹介です。このアルバムをリアルタイムで聞いた人って、きっとショックを受けたのだろうと思います。曲の魅力にはもちろんの事、ベレー帽を被ったジャケット写真にも・・・

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アット・ヤンキー・スタジアム / NRBQ 1978年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.7)

get "at Yankee Stadium"さて、フジロック・フェスティバルに出演する中で、あたしにとっての最高のバンドがNRBQ。超B級パブ・ロック・バンド(失礼)です。

・・・知らない人が読んだら、本気にするかもしれないので、言い直しましょう。NRBQ は今年デビュー35周年を迎え、多くのミュージシャンに影響を与え、そして絶賛されている、最高のR&Rバンドです。

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テイルズ・フロム・ザ・パンチボウル / プライマス 1995年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.6)

get "Tales from the Punchbowl" フジロック・フェスティバルのタイムテーブルに、いくつか気になるバンドの名前を見つけました。その中から、二つのバンドのお話をしたいと思います。


ひとつめのバンドは Primus です。ミクスチャー・ロックというのがピッタリなんですけど、きっとこの言葉は死語でしょうね。もうホントに、ヘヴィ・メタルから、パンク、ファンク、そしてジャズまで、見事に混ざり合った不思議音楽です。仕方がないから分かりやすく、変態ロックって言っておきましょうか(笑)。そんな彼等の "Tales from the Punchbowl" のご紹介です。

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ロデオの恋人 / バーズ 1968年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.5)

get "Sweetheart of the Rodeo"1990年代のアルバムの紹介が続いたので、今回は少し時代を遡って、the Byrds のお話をしたいと思います。えっ、戻りすぎ?。だけどこの "Sweetheart of the Rodeo" は、 『メジャー・バンドによる最初のカントリー・ロックのアルバム』なんです。それを思うと、現在のオルタナ・カントリーを考える上でも、忘れてはいけない1枚じゃないでしょうか。

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オムニポップ / サム・フィリップス 1996年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.4)

get "Omnipop"これって女性歌手の Sam Phillips ですよ。Elvis Presley を発掘した、同名プロデューサーの事ではありません♪


二回続けて『オルタナ・カントリー』のお話しです。ただ、前回の "Strangers Almanac" が『カントリー』側としたら、"Omnipop" は『オルタナティヴ』側に振ったサウンドじゃないでしょうか。

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ストレンジャーズ・アルマナック / ウイスキータウン 1997年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.3)

get "Stranger's Almanac"Whiskytown って名前だと、知らない人もいるかも知れませんが、このバンドは今をときめく Ryan Adams が組んでいたバンドです。ホントにこの人、ブレイクしました。この "Strangers Almanac" の頃には、考えられなかったのに・・・

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カム・オン・オーヴァー / シャナイア・トゥエイン 1997年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.2)

今回ご紹介するのは Shania Twain"Come on Over" です。これは「聴くと元気が出てくるアルバム」って言っちゃおうかな♪。

get "come on over" get "come on over (international)"

本当に綺麗な女性です。もの凄くスタイルも良いし・・・なんて、ビジュアル的な話はおいといて、Shania Twain は声が魅力ですね。媚びがなくてイヤらしくない。ちょっとハスキーで、変な言い方だけど「竹を割ったような性格だろう」と思えるような声。

そんな彼女が、夫でもある名プロデューサー Robert John "Mutt" LangeAC/DC, ForeignerDef Leppard のプロデューサー)の元で、爽やかなバラードから弾けるような軽快な曲まで、しかもカントリーとポップスを合わせたようなゴキゲンなサウンドに乗せて歌うんだから、元気が出ないはずはありません。

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アート・オブ・ティー / マイケル・フランクス 1975年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.1)

あたしがおすすめの
 それは・・・
世間で言う傑作とは違うかもしれないけど
あなたには聞いてもらいたい
そんな音楽のお話です
 

get "the art of tea"今までに聞いてきた中から、おすすめのCDを紹介していくこのシリーズ(シリーズか?)。第1回は Michael Franks の出世作 "the Art of Tea"、あたしが一番好きなアルバムを紹介したいと思います。もうホントにどれだけ聞いてきたことか。

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