Centerfield / John Fogerty
センターフィールド / ジョン・フォガティ 1985年
進藤むつみのおすすめCD (vol.16)
John Fogerty は Creedence Clearwater Revival (以下 CCR) を率いて、一時代を築いたミュージシャンです。なにしろ CCR が活動した3年の間に、全米2位のシングル5曲を含めてヒットを連発(ただし1位はなし)、1970前後の音楽シーンをリードしました。その Fogerty のソロ3作目、大ヒットアルバムの Centerfield をご紹介します。
CCR の時代から変わらない彼の音楽は、仮想ルーツ・ミュージックとも言えます。カリフォルニア州バークレー生まれで、西海岸をベースに活動。それなのに、独特のうねるようなヴォーカルに、アメリカ南部の景色を思い浮かばせずにはいられません。多分、それはどの町の景色でもないのに、そしてどこにでもあるありふれた風景・・・。そんな架空の音楽性が、彼を評価を高めない一因にもなります。また、ヒット曲を連発した事が、逆にシングル向けと捉えられちゃうんだから、難しいよなあ。
いえ、そんな問題を考えるのは止めましょう。彼がアメリカ南部の音楽を大好きな事は、みんな判っていますから。そして彼が創る音楽、そこから想像できる風景を、あたし達はそのまま楽しめば良いんです。
"the Old Man Down the Road" を、聴いてみて下さい。もう嬉しくなっちゃう。だって、そのまま CCR のサウンド、10数年ぶりの新曲って言っても良いくらいです。土臭くねちっこいギター、ラフなドラムス。そこに Fogerty のヴォーカルが入ったら、もう CCR じゃなきゃ何なの?って感じ(笑)。この曲は全米10位と、ソロになってからの最大のヒットになりました。
"Rock and Roll Girls" (20位) は、真正面からストレートなロックン・ロールです。歌詞は洒落てますけどね。だけど、こうして聴いてみると、彼の音楽性や思い浮かぶ風景は変わらないなあ。それだけ独自のモノを持っているのと、その世界が完成されてるのだと思います。
やはり小細工なしのロックン・ロール "Big Train"、ゆったりとした時間を感じさせる "I Saw It on T.V."、アーシーな "Searchlight" などを挟んで、あたしの1番のお気に入り曲 "Centerfield" (44位) が流れてきます。
"Centerfield"。おニューのスパイクと、お手製バットで草野球です。センターフィールドです。良いなあ、こんな歌って。歌詞だけじゃなく、もちろん曲も良いんですよ。ロックン・ロールでいてポップ。ソロになってからの、最高傑作なんじゃないかしら。このアルバムもそうですよね。ソロ作品として、初めての全米1位を記録しました。
もっとも、このアルバムは Fogerty 一人の、多重録音によるワンマン・アルバムなんです。それでこの世界を作り出しちゃうんだから、この人ってやっぱりスゴイと思います。自分の中の『南部』に対する拘りに、譲れないモノがあるんでしょうね。
不思議なのは、John Fogerty の活動ペースです。CCR 解散後ソロになってから発売されたアルバムといえば、"the Blue Ridge Rangers" (73年), "John Fogerty" (75年), この "Centerfield" (85年), "Eye of the Zombie" (86年), "Blue Moon Swamp" (97年), "Premonition" (98年・ライヴ), "Deja Vu -All Over Again-" (2004年9月) の7枚。10年のうち続けて2〜3活動して、残りの空白期間は何をしてるのかしら?。しかも一貫して・・・と言うより、何も変わらない音楽性なのに。いえ、何度も言いますが、この人が変わっちゃうようでは困るんですけどね(笑)。
- Centerfield
- 1. the Old Man Down the Road / 2. Rock and Roll Girls / 3. Big Train (from Memphis) / 4. I Saw It on T.V. / 5. Mr. Greed / 6. Searchlight / 7. Centerfield / 8. I Can't Help Myself / 9. Vanz Kant Danz
- produced by John Fogerty / recorded at the Plant Studios, Sausalito, CA
- John Fogerty (web site: http://www.johnfogerty.com/ )
- born on May 28, 1945 in Berkeley, CA
はじめまして~。
John Fogertyの「Centerfield」大好き!
1曲の時間が短いので、聴きやすいというのもあるけど・・
一番、好きなのが"Rock and Roll Girls"!
モノクロからカラーに変るPVも良かったです。
CCRは、あまり聴かないけれど、ドラムが下手だなぁって印象・・
teacherteacherさん、はじめまして。コメントありがとうございます♪
えーと、CCRは多分ドラムだけじゃないです(笑)。独特の世界・音色でしたけど、やっぱりFogertyが引っ張っていたんじゃないかしら。
それと、このアルバム "Centerfiled" は、定期的に聴きたくなる1枚です。 なるほど、 "Rock and Roll Girls" ね。この曲が好きな人って、多いですよね。それだけ魅力ある曲なんだろうな。だけどPVって、どんなでしたっけ?。ずっと野球してるのは "Centerfield"・・・。くやしいな、覚えてないよお。
"Rock and Roll Girls"のPVは、とってもシンプルです。
何人かの観客の前で、ジョン・フォガティが歌っている所を、撮っているだけ・・・
最初はモノクロだった映像が、曲が進むにつれて、徐々にカラーになっていくといった感じ・・
すごく地味なPVですが、いいですよ~。
・・むつみさんの文章はやさしくていいですなぁ。
私も、音楽ネタメインの日記ですが・・凹
そういうPVでしたか。覚えてない・・・じゃなくて、見てないような気がします。いえ、多分ね。忘れてるだけだったら、恥ずかしいんですけど(笑)。感じ良さそうですね、何処で見れないかしら?。彼のHP(一番下のアーチスト名がリンクです)には、なかったんですよね。
えっ?、やさしい文章ですか・・・。やぁだ、煽てたって何も出ませんよ(笑)。ありがとうございます。こんな感じにしか書けないのですが、もっと上手になりたいと勉強中の身です(笑)。
『なんとなく・・ひとりごと・・・』、もちろん拝見させて頂きました。"Centerfiled" 以外にも、もっともっと好みが重なる部分があると良いですね♪。
はじめまして。ジョン・フォガティの新作があまりにもいいので驚きました。チャート本を見ると、CCRの全米2位曲は5曲になってますよ。
冬のマーケットさん、はじめまして。
しまった!、確かに Proud Mary, Bad Moon Rising, Green River, Travellin' Band, Lookin' Out My Back Door の5曲ですね。何やってんだろう、あたし。ご指摘ありがとうございます。エントリー本文を修正させてもらいました。