Magnetic South / Michael Nesmith & the First National Band

[Magnetic South] / マイケル・ネスミス&ザ・ファースト・ナショナル・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.17)

get "Magnetic South"Micahel Nesmith の名前を知っている人は、今は少ないかもしれません。この "Magnetic South" も、古いアルバムだしね。だけど、the Monkees のモミアゲさんと言えば年配の方は分かるかしら(笑)。いえいえ、元 Monkees だとバカにしてはいけませんよ。彼は元 the ByrdsGram Parsons と並んで、カントリー・ロック黎明期の重要人物の一人なんですから。


確かに Monkees はテレビのために、まさに作られたバンドでした。だけど「それをキッカケに」と考える人たちは、オーディションに集まったようです。例えば CSN&YStephen Stills。彼は歯並びが悪いという理由で、落とされたんですって。そして、この Michael NesmithMonkees 時代から、このアルバムのようにカントリー風味溢れる音楽を狙っていました。

もちろん、彼の作る作風からしてそうなのですが、在籍中にカントリー・ロックとして後に『伝説』と呼ばれる事になる、ナッシュビル・セッションを行っています。また、 Linda Ronstadt (名義は Stone Poneys feat. L. Ronstadt) の最初のヒット "Different Drum" (13位) はこの Nesmith の曲で、彼女にカントリー・ロック調のスタイルを勧めたのも彼だそうです。

これはテキサス生まれということで、幼い頃からカントリーに親しんできた結果かもしれません。だから、彼がバンドをやめた後、カントリー・ロック・バンドを組んだ事は、決して唐突な事なんかじゃありません。逆にしっかりと準備してきた結果と、言えるんじゃないかしら?。

さて、この "Magnetic South"。スティール・ギターの Orville J. Rhodes をフィーチャーした、かなりカントリー寄りのサウンドを展開します。

"Calico Girlfriend" で、ギター・ストロークからリズム隊、そしてスティール・ギターが入った時点で、ノックアウトです。ホントに心地よいカントリー・ロックです。そして Nesmith のヴォーカル。なんて温かいんでしょう。この温かさにずっと包まれていたい。そしてその思いは、このアルバムを聴いている間は、満たしてもらえます。

続く "Nine Times Blue", "Little Red Rider", "the Crippled Lion""Hollywood" は、Monkees 時代に用意しながら、取り上げなかった曲だそうです。これらの曲はどうでしょう。どこからどこまでも Nesmith サウンドです。いかに彼が以前から準備していたか、カントリー・ロックをやりたかったかの証明になるような気がします。

"Joanne" (全米21位) は、彼の初めてのヒット曲。スローなカントリー・バラードですが、やはりセンスが光ります。彼の曲はカントリー風でありながら、極めて良質なポップスなんです。

Nesmithは、the First National Band で続けて2枚を発表。そして、ソロとしての活動に転向します。どのアルバムも、素晴らしい出来です。どの曲を聴いても、彼の温かさが分かります。元 Monkees と言うだけで聴かないとしたら、なんてもったいない事でしょう。まあ、そのサウンドを期待しているのなら、別なんですけどね。


ちなみに Amazon へのリンクにもなっているジャケット写真ですが、彼等のセカンド・アルバム "Loose Satute" (70年) との 2 in 1 のものです。単独での扱いがないんですよね。オリジナルの "Magnetic South" のジャケットは青い方、赤いのはセカンドね・・・って言って、どのくらいの人が分かるだろうか(笑)。

Magnetic South
1. Calico Girlfriend / 2. Nine Times Blue / 3. Little Red Rider / 4. the Crippled Lion / 5. Joanne / 6. First National Rag / 7. Mama Nantucket / 8. the Keys to the Car / 9. Hollywood / 10. One Rose (That's Left in My Heart) / 11. beyond the Blue Horizon
produced by Felton Jarvis
Michael Nesmith & the First National Band
Michael Nesmith, John Ware, John London & Orville J. Rhodes
Michael Nesmith
born on December 30, 1942 in Harris County, TX

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posted by 進藤むつみ on Autumn, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ

comments (8)

はじめまして。Calico Girlfriend最高ですよね。
以前 DJで使ったのですが、かなり盛り上がりました。

>machinoさん、はじめまして♪。コメントありがとうございます。
この人の曲やアルバムって、どれも素晴らしいものだと思うんです。もっともっと、ずっと高い評価を受けるべきだと思うんですよね。
その中でも一押しは、あたし的にはやっぱりこのアルバムと、一曲目の "Calico Girlfriend" ですね。DJで使えるんですか?。だけど、盛り上がったと聞くと嬉しくなっちゃいますね♪。

ありがとうございます。
そうですね。もっと評価されていい人だと思います。
モンキーズ時代から培っていた、カントリーとラテンの融合の試み。このアルバムで花開いたというかんじでしょうか?

やはり、みなさんあまり馴染みがないらしく、DJしたときも問い合わせが結構ありましたよ。

>machinoさん♪
馴染み・・・ないでしょうね(笑)。問い合わせに対して名前を言ったとしても、分からないかもしれませんよ。悲しいですけど。
同時代の Gram Parsons は、スゴク再評価されたじゃないですか。もちろん、彼の功績は評価されるべきもので、あたしも大好きなミュージシャンなんです。
だけど、対して Michael Nesmith ですよね。ホントに the Monkees の頃から色んな事をしてきて、ソロになってこれだけのアルバムを作って、それなのに・・・って感じがしちゃうんです。
machinoさんに機会があるのなら、どうか広めていって欲しいと思います♪。

ありがとうございます。広めるべく、がんばります。
DJイベントやるときはお知らせします。では。

>machinoさん♪
よろしくお願いします。同じNesmithファンとして期待してますね☆。
また機会があれば、どうかお立ち寄りください♪。

初めまして。
フリートウッドマックから辿ってきて、ここへ来ました。マイクの記事にはどうしても反応してしまうモンキーズファンです(笑)。
もちろんジャケの色違いも知ってますよ(笑)。
個人的にはセカンドアルバムが大好きで、未だによく聴いてます。やっぱりマイクがカントリーロックの祖だと思ってます。

>240さん、はじめまして♪・・・と、240_8さんなのかしら?。まさかジャケットの色の話に反応があるとは思いませんでした(笑)。
あたしはMicahel Nesmithがいなければ、アメリカのポピュラー音楽史は別のものになったと思っています。Monkeesに比べてソロとしての知名度は低いかもしれないけど、彼のカントリー・ロックに対する愛情が周りに与えた影響は絶大だったよなと。このアルバムだけでなく、他のミュージシャンが取り上げた彼の作品を聴くたびに思うんですよね。
・・・といいつつ、あたしはGram Parsonsフリークなんですけども(笑)。

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