at Yankee Stadium / NRBQ

アット・ヤンキー・スタジアム / NRBQ 1978年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.7)

get "at Yankee Stadium"さて、フジロック・フェスティバルに出演する中で、あたしにとっての最高のバンドがNRBQ。超B級パブ・ロック・バンド(失礼)です。

・・・知らない人が読んだら、本気にするかもしれないので、言い直しましょう。NRBQ は今年デビュー35周年を迎え、多くのミュージシャンに影響を与え、そして絶賛されている、最高のR&Rバンドです。

彼等の音楽は多彩です。

"Green Lights" のいきなりのパワーロックに、まずは圧倒されます。Al Anderson のギターが乗りまくって、最高にごきげん!。ところが "I Love Her, She Loves Me" は、しっとりとしたバラード。朴訥としたヴォーカルが心に染みます。それに続く "Get Rhythm" は、Johnny Cash のカヴァー。ここではシャウトしまくり!。他にも泥臭いR&Rからスウィング感のあるモノまで、ホントにバラエティ豊かです。だけど、どの曲も信じられないくらい NRBQ のサウンドになっています。そしてラストを締めるのは、Bill Haley & His Comets のヒット曲 "Shake, Rattle & Roll"。軽快な演奏が余韻を残しつつ、幕を閉じます。

もちろん基本はR&Rなんですよ。だけど、どんなスタイルの曲を演奏しても、彼等の色になってしまうんですね。ホントに、心から楽しんでいるような気がします。子供の頃から聞いてきた音楽を、素直に受け入れたならそうなるのかな。ここ数年、NRBQ の評価は高まっていますが、実際、彼等は何も変わっていないのでしょう。

小さな会場を中心に(もちろん at Yankee Stadium という事はなく)ライヴ活動を続けてきて、どんな曲でも演奏するというその辺りが、彼等の音楽に深みを与えているのだと思います。

ところで、デビュー数年後から20年に渡り、不動のメンバーで活動してきた NRBQ から、ビッグ・アルこと Al Anderson が辞めたのは1994年の事。その時には、ショックを受けたファンも多かったみたい。やっぱり、名物ギタリストでしたからね。だけどその穴は、後任ギタリストの Johnny Spampinato と、Terry Adams はじめ他のメンバーとのチームワークで、しっかり埋めてしまうあたりはさすがです。「このまま50周年まで頑張れ」って、思っちゃうな。

ちなみにこのアルバムは、ライヴ・アルバムではありません。タイトルやジャケット写真は、そのものなんですけどね。レコーディング・スタジオのクレジットの下に、'not at Yankee Stadium' とあります。そして、誰もいないスタジアムの客席に、4人並んで座っている写真が、彼等らしさを表してるような気がします。

at Yankee Stadium
1. Green Lights / 2. Just Ain't Fair / 3. I Love Her, She Loves Me / 4. Get Rhythm / 5. That's Neat, That's Nice / 6. Ain't No Free / 7. I Want You Bad / 8. Same Old Thing / 9. Yes, Yes, Yes / 10. It Comes to Me Naturally / 11. Talk to Me / 12. Shake, Rattle & Roll
recorded at Bearsville Studios
NRBQ = the New Rhythm & Blues Quartet (web site: http://www.nrbq.com/)
Terry Adams, Joseph Spampinato, Al Anderson & Tom Ardolino

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posted by 進藤むつみ on Summer, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ

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