1990年代の最近の記事

Pieces of You / Jewel

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心のかけら / ジュエル 1995年
進藤むつみのおすすめCD (vol.68)

get "Pieces of You"素朴・・・と言えばいいのでしょうか。繊細と言った方がいいのでしょうか?。それとも純粋と言うべきなのでしょうか。Jewel のこのデビュー・アルバムを聴いた瞬間、逆にこっちの方がどぎまぎしてしまったような気がします。それ程ストレートに、彼女の心が出ているように思えました。心の中にあるものを何ひとつ隠す事なく、あたしに見せてくれたように感じたんです。

だって、もうそのまんまなんですよね。考えている事が、真っ直ぐこっちに伝わってくる。それって、良いところも悪いところもね。例えば、瑞々しくて触れただけで壊れちゃいそうな素朴さを感じられる代わりに、自信のなさや不安さえもわかっちゃうんです。おいおい、もう少しガードした方がいいんじゃないの?。悪い人に付け込まれちゃうよ・・・なんて、あたしも余計な心配してみたりして(笑)。

だけど、このアルバムをレコーディングした時には、彼女はホントに自信がなかったのかもしれません。デビューする事はできたけど、このまま活動を続けていけるのかわからなかったんじゃないかしら?。そんな自信のなさが、そのままこのアルバムには録音されちゃったのかもしれません。でもね、この "Pieces of You" を一度でも聴いたならば、将来 Jewel という宝石の原石がどれほどの輝きをみせてくれるのか、誰もが気が付いたと思うんです。

Waitin' for George / the Freewheelers

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ウェイティン・フォー・ジョージ / フリー・ホイーラーズ 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.67)

get "Waitin' for George"訛ってるんですよね。もう、強烈な南部訛り。だけど、あたしはこういうのこそ文化だと思うし、あたしの中に南部への憧れがありますからね。彼等の南部人としての誇りにも感じられて、聴いていて嬉しくなってくるんです。・・・ただ、それでもこれだけ強烈だと、『チョットたいしたものだな』って思っちゃうんですよね。

あっ、ヴォーカルじゃないですよ。the Freewheelers の演奏が訛っているんです。

ギターの音色もそう、ズルズルに引きずったピアノとオルガンもそう、バックアップの女性コーラスもそう。これを南部の音と呼ばなければ、他に当てはまるものなんてないくらいにね。70年代のサザン・ロック、スワンプ・ロックそのものなサウンドに乗せて Luther Russell のダミ声が響く・・・って、やっぱりヴォーカルもそうなのか?(笑)。

実はバンドの情報が少なすぎて、何処の出身かも分からないんですよね。結成がロサンゼルスだって話や、このアルバム以降にリーダーの Luther Russell がオレゴン州のポートランドで活動してる事を思えば、根っからの南部人ではないのかもしれないなって思います。まあ、出身なんてあまり関係ないかもしれません。だって彼等の演奏には、Delaney & BonnieLeon Russell、そして Little Feat と同じような、南部独特のねちっこさと、熱いハートが感じられるんですから。

Celebrity Skin / Hole

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セレブリティ・スキン / ホール 1998年
進藤むつみのおすすめCD (vol.66)

get "Celebrity Skin"ゴシップやスキャンダルと一緒にしか語られないミュージシャンがいます。もちろんスキャンダルはロックスターの証だし、何もないようだと、逆に魅力もないような気もします。だけど、あまりにもそればかりだと、ちょっと違うんじゃないかと思っちゃうんですよね。そういう話って、本来の魅力や実力を十分に認められてこそだと思うんです。

今回ご紹介する HoleCourtney Love こそ、そんなミュージシャンの代表ではないでしょうか。うん、もう、よくもこれだけ色んな話が出てくるものと思うくらい。確かに、彼女の言動にも問題があるかもしれない。だけど、良い悪いじゃない、単純に巻き込まれてるだけの事もあるんですよね。それなのに、彼女の魅力やバンドの評価以外の話ばかり聞こえてくるんです。

Hole・・・、Courtney Love を、真っ正面から評価する。もしかしたら、色眼鏡抜きで彼女を見つめてる人の方が少ないんじゃないでしょうか。もしそうだとしたら、それはとても残念な事だと思うんです。だって、彼女は90年代、最高の女性ロッカーかもしれないんです。だから・・・あたしは余計な話を抜きにして、彼女の話をさせてもらいたいなと思っているんです。

Amorica / the Black Crowes

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アモリカ / ブラック・クロウズ 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.65)

get "Amorica"『濃ゆい』アルバムです。もうね、『濃い』なんて言い方なんかじゃ、このアルバムの特徴を伝えられないくらい『濃ゆい』んですよね。音作りの密度の濃さというよりも、ねっとりとしたサウンド。ヴォーカルもギターも、これ以上ないくらいの『濃さ』を醸し出しているんです。

えっ、意味がわからない?。仕方ないな、言い方を変えてみましょうか(笑)。

『熱い』アルバムです。サザン・スタイルのロックやブルージーなサウンドは、熱を感じさせる事が多いと思うんです。曲によっては『乾いたの太陽』の暑さとかね。だけど、このアルバムはそれ以上に、人間の体温の高さを感じさせるような気がします。その熱の高さが、このねっとりとしたサウンドに表れているような気がするんです。

Fever In Fever Out / Luscious Jackson

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フィーヴァー・イン・フィーヴァー・アウト / ルシャス・ジャクソン 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.64)

get "Fever In Fever Out"音楽が好きになって、聴き込んで、のめり込んでいくほどに、聴いているジャンルが狭くなるような気がします。だんだんと、自分の好みの音が分かってくるからだと思うんですけどね。あたしがのめり込んでいったのは、ルーツ系のロックでした。特にカントリー・フレーバー溢れるサウンド♪。

逆に言えば、ラップやヒップホップなんかは、最も苦手なジャンルに感じちゃうんです。この Luscious Jackson を初めて聴いた時も、単純にあたしの好きな音楽じゃないと思いました。Beastie Boys のグランド・ロイヤル第1号アーチストと言われても、ドラムスが Beasties のオリジナル・ドラマーだって言われても、あたしにとっては売り文句にならないんです。いえ、Beasite Boys はスゴイと思う。特に "Ill Communication" は、時代そのものを飲み込んだ大傑作だと思います・・・けど、苦手なんですよね(笑)。

リアルタイムで Luscious Jackson のファーストを聴いた後、あたしは彼女達に興味を示す事はありませんでした。セカンドを聴いたのは、発売されて5年以上たってから。それも中古で250円で売っていて、他に買うものがなかったからという後ろ向きな買い方(笑)。だけど、そこにあたしを虜にするサウンドがあったんです。もちろん、ルーツ系ロックなんかじゃないけど、『ヒップホップもイイかもしれない』って初めてあたしに思わせたアルバムが、この "Fever In Fever Out" だったんです。

Wildflowers / Tom Petty

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ワイルド・フラワーズ / トム・ペティ 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.62)

get "Wildflowers"大好きなミュージシャンで、いつも期待に胸を膨らませて新譜を手にするのに、なんかちょっと外されちゃう人っていませんか?。もちろん曲が悪いわけでもない、演奏もいつも通りにドライヴ感がある。いえ、もっと単純にカッコ良さも変わらないんです。それなのに、あたしが聞きたかったサウンドとちょっと違う・・・。あたしにとって Tom Petty & the Heartbreakers は、そんなバンドでした。

初期のストレートなロックン・ロールが、印象的すぎたのでしょうか?。それとも大ヒットした "Damn the Torpedoes" の頃のサウンドを、忘れられないのか?。発売されてすぐに買うじゃないですか。だけど「あれっ?、ちょっと違うな」って思っちゃう。あたしの期待を分かっていて、かわされるような気がしちゃうんです。もっとも彼等は恐ろしく真剣に音楽に取り組んでいるバンドで、自分たちのサウンドを追い求めながら、しかも先達へのリスペクトを表現していたんです。だから、あたしの好みが単純で、音楽に対する知識も少なかったっていう事なんですけどね。

そんな彼等のサウンドが、あたしの期待と見事に一致したのが、93年の "Greatest Hits" に収録されたシングル "Mary Jane's Last Dance" でした。ハーモニカをフィーチャーした強烈に泥臭いサウンドで、あたしはその曲を聴いた瞬間、失礼ながら「なんだ、やれば出来るんじゃない」って思ったんですよね(笑)。そして、翌94年に発売されたこの "Wildflowers" は、強烈にルーツ色を出したアルバムで、あたしがもっとも好きな Tom Petty の作品になったんです。

Good Stuff / the B-52's

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グッド・スタッフ / the B-52's 1992年
進藤むつみのおすすめCD (vol.61)

get "Good Stuff"ベストアルバムに新録の曲はあるものの、the B-52's の最後のアルバムがこの "Good Stuff" になりました。生涯一ダンスバンドと宣言して、いつも奇想天外なアプローチで驚かせてくれた彼等が、これ程ポップで、しかも深い味のあるアルバムを届けれくれた事に、正直あたしは驚いてしまいました。あたしの中では彼等の最高、ホントにお勧めしたいアルバムなんです。

だけど、もし彼等のファースト・アルバム "the B-52's" を聴いてない方がいらっしゃれば、どうか先にそちらを聴いてもらいたいと思うんです。なにしろその衝撃といえば、全ての音楽ファンを仰天させたものでしょうから。だってね、ありえない音なんですよ。スカスカのパーティー・ビートは分かるんだけど、あんなにノッペリしたオルガンの音はないですよね。下手ウマというよりは下手くそ(笑)。騒ぎ立てるような二人の女性コーラスを聴いたら、『やかましい!』とさえ思ってしまうアルバムでした。

確かにニュー・ウェーヴ系のバンドって、今までになかったアプローチをしてくる事も多いんです。ニューウェーヴが注目され始めた時期、そういう意味でこの the B-52'sDevo は双璧だったと思います。でも、あたしはやっぱり the B-52's かな?。彼等のヘナチョコ・ビームは強力です。聴いた瞬間、異次元に引き込まれてしまうんです。だけど、『よそ見してたら足を取られて、異次元に突き落とされた』 って言い方のほうが、ピッタリ来るようなバンドだったんですよね(笑)。

Anodyne / Uncle Tupelo

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アノダイン / アンクル・テュペロ 1993年
進藤むつみのおすすめCD (vol.55)

get "Anodyne"前回の Johnny Cash のご紹介では、カントリー音楽界からのオルタナ・カントリーへのアプローチのお話をしました。それまでのカントリーの枠に収まり切らなくなったサウンドは、まさにオルタナ・カントリーと呼ぶに相応しい音楽スタイルと言えるでしょう。ただし、オルタナ・カントリーというジャンルの主流は、パンクを中心としたロック・アーティストからのアプローチだと思うんです。

Son Volt, Wilco, the Jayhawks, Whiskeytown (=Ryan Adams), Blue Mountain, the Bottle Rockets・・・。1990年前後から、たくさんのバンドが同時多発的に登場しました。どのバンドも強烈な個性を持ち、またパンクやロックなどをベースにしながらも、強いカントリーへの敬愛が感じられます。表面的なサウンドだけカントリーを真似しているんじゃない、その精神をも取り込もうとしてると思うんです。このへんは60年代の後半、Gram ParsonsMichael Nesmith 等がカントリーにアプローチした『カントリー・ロック』に、とてもよく似ていると思います。

同時期に登場したミュージシャンが、お互いに影響を投げかけながら成長していくのだから、どのバンドが源流とは言えないでしょう。本当の意味ではカントリー・ロックにまで遡るでしょうし、70〜80年代にもその精神を守ってきたバンドはありました。しかし、90年代以降のブームと呼べるほどのオルタナ・カントリーの源流は、今回ご紹介する Uncle Tupelo と言っても良いと思います。登場した時代はもちろんですが、その後のシーンをリードする二人のアーティスト、なんと Son Volt を率いる Jay FarrarWilco を率いる Jeff Tweedy が組んでいたバンドだからです。

Unchained / Johnny Cash

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アンチェインド〜自由であれ! / ジョニー・キャッシュ 1996年
進藤むつみのおすすめCD (vol.54)

get "Unchained"オルタナ・カントリーにアプローチしてくるミュージシャンには、大きく分けてふたつのパターンがあると思います。ひとつは WilcoRyan Adams に代表される、パンクを中心としたロック・アーティストからのアプローチ。主流はこちらでしょう。スタイルだけの真似なんかじゃないんです。カントリーへの敬愛を持ってアプローチしてくるんです。このあたりは次回の Uncle Tupelo の紹介の時、詳しくお話したいと思います。

そしてもう一つ、それまでの枠に収まり切らなくなった、カントリー音楽界からのアプローチ。Johnny CashEmmylou Harris ら大御所の動きは、保守的で型にはまった業界を驚かせました。だけど、元々カントリーって保守的な音楽じゃないと思うんです。果たして Hank Williams は保守的でしょうか?。そんな事ありませんよね。60年代以降スタイルを重視したカントリーが増えた事で、保守的で無難な音楽に変わってしまっただけだと思うんです。もちろん70年代にナッシュビルに反旗をひるがえした、Willie Nelson などの例もありますけどね。

型にはまらないスタイル・・・。近年の Emmylou Harris は、それこそ前人未到の音楽を作り続けています。対して Jonny Cash は・・・、何も変わっていないんですよね。もちろんサウンド・アプローチにオルタナ的なものはありますが、それよりも精神的なものの方が大きいんです。その Johnny Cash の精神は、実はデビューからずっと変わらずにいて、そして強烈な個性を発しているんです。

under the Table and Dreaming / Dave Matthews Band

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アンダー・ザ・テーブル・アンド・ドリーミング / デイヴ・マシューズ・バンド 1994年
進藤むつみのおすすめCD (vol.52)

get "under the Table and Dreaming"この Dave Matthews Band が日本で受け入れられない理由は、いったい何なのでしょう。ライヴ活動を精力的にこなすジャムバンドだから?。確かに日本では、その手のバンドって売れ難いんですよね。だけど、今やアメリカで一番集客力のあるバンドなんですよね。あまりにも日本との落差が、大きすぎるような気がします。

ロック、ジャズ、ファンク、ブルースなど、多彩な音楽を飲み込んだ幅の広さや、ギター、ベース、ドラムス、サックス、ヴァイオリンといった独特の楽器編成・・・、この辺にあるのでしょうか?。しかも Dave Matthews の奏でるギターって、アコースティック・ギターなんですよね。エレキ・ギターの入らない、またキーボードの入らないサウンドが取っつき難いのでしょうか?。いいえ、初めて聞いた方でも、違和感を感じる事はないでしょう。それほど纏まりのあるサウンドだと思うんです。

メンバーの顔が悪いから?・・・(笑)。確かに Dave のおっさんぶりを含めて、いつまでも見飽きない個性的な顔が並んでますが、それはここでは置いておきましょう。

ライヴの集客力もそうだし、ローリング・ストーン誌の読者投票『20世紀のベスト・ソングライター』で、Lennon / McCartney を上回る6位にランクされるなど、圧倒的な人気を誇る彼等が、日本でだけ売れないのはホントに悲しく思います。そしてそんなバンドこそ、ここで紹介させてもらいたいと思うんです。

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