あたしの性同一性障害としての症状は、あまり重くはないと思っています。性別変更や性別適合手術までを望む訳でなし、性格や考え方はこれはもう男っぽいし、だいたいが、あたしは自分の事を男だって認識してる。自分を男だって分かっているんですよね。
それでも、自分が男な事には違和感はあった。自分の体が男だって事に嫌悪感があった。あたしは女性ホルモン剤を摂らずにはいられなかった。女性ホルモンを始めていなかったら、あたしはもう10年前に死んでたと思ってる。もちろん薬を飲めば女になるなんて思ってはいない。ただ、少しでも男らしさから離れたかっただけ。
まあ、おかげで少しは女っぽくなれましたけどね。脂肪のつき方は明らかに変わったし、汗の匂いや髪の毛の質も変わってる。胸は大きくならなかったけど、髪が短くない事もあって、女に間違われる事は既に珍しくない。それが自然になりつつある事が、何と言うかホッとする。あたしの中の違和感は明らかに減っていて、このまま生きていけるかな・・・なんて思ったりするんです。
ただ、自然になった分、自然じゃなくなった事もある。トイレに入るとみんなでこっちを見るし、病院で保険証を出したら『ご本人様は?』なんて聞かれちゃったり。
会社に新しく入ってきた人で、暫くあたしを女だと思ってる人もいるしなあ。ううん、男だと分かってる人でも、更衣室にあたしがいると男同士なのに衝立の向うで着替えたりしてる。まあ、正直それは有難かったりするんだけど、ちょっと違うような気もしてる。そういえば・・・自宅でもリビングにあたしがいると、父は部屋の向うの方で着替えたりしてるよなあ。
自分の中の違和感が減った分、周りに違和感を振り撒いているのかもしれません。
