違和感

あたしの性同一性障害としての症状は、あまり重くはないと思っています。性別変更や性別適合手術までを望む訳でなし、性格や考え方はこれはもう男っぽいし、だいたいが、あたしは自分の事を男だって認識してる。自分を男だって分かっているんですよね。

それでも、自分が男な事には違和感はあった。自分の体が男だって事に嫌悪感があった。あたしは女性ホルモン剤を摂らずにはいられなかった。女性ホルモンを始めていなかったら、あたしはもう10年前に死んでたと思ってる。もちろん薬を飲めば女になるなんて思ってはいない。ただ、少しでも男らしさから離れたかっただけ。

まあ、おかげで少しは女っぽくなれましたけどね。脂肪のつき方は明らかに変わったし、汗の匂いや髪の毛の質も変わってる。胸は大きくならなかったけど、髪が短くない事もあって、女に間違われる事は既に珍しくない。それが自然になりつつある事が、何と言うかホッとする。あたしの中の違和感は明らかに減っていて、このまま生きていけるかな・・・なんて思ったりするんです。

ただ、自然になった分、自然じゃなくなった事もある。トイレに入るとみんなでこっちを見るし、病院で保険証を出したら『ご本人様は?』なんて聞かれちゃったり。

会社に新しく入ってきた人で、暫くあたしを女だと思ってる人もいるしなあ。ううん、男だと分かってる人でも、更衣室にあたしがいると男同士なのに衝立の向うで着替えたりしてる。まあ、正直それは有難かったりするんだけど、ちょっと違うような気もしてる。そういえば・・・自宅でもリビングにあたしがいると、父は部屋の向うの方で着替えたりしてるよなあ。

自分の中の違和感が減った分、周りに違和感を振り撒いているのかもしれません。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2015 in T's

comments (4)

美しいと感じる事。
何を美しく感じるか、何を心地よく思うか、自分らしさとは何かだと思います。
美しいと感じる感覚が大事だと僕は思います。
上手く表現出来なくてすみません。

>うえださん♪
自分らしさなわけだけど、他人から見たら決して美しくはないんですよね。
もちろん覚悟の上で歩いてきたんだけど、精神的にも蝕まれてしまってる。まともには生きられてないし、色んな人に迷惑をかけてるなと思う。それでも、あたしはここにしかスタンスが取れなかったんですよね。
感性を通してきても、周りと調和を取れてる人とは違うと思ってる。悔しいですけども。

むつみさんの文章を読んで優しい人だろうということは分かります。
最近気になる研究で指の長さがありました。
「人差し指」と「薬指」
この人差し指と薬指の対比のことを、「2D/4D比」と呼ぶそうです。
この2本の指を見れば、その人が「オトコ度の高いタイプ」か、
それとも「オンナ度の高いタイプ」なのか?分かってしまうそうです。「指の長さ」とは、「指の先」から「指の付け根の一番下のシワ」までの長さのことです。
1、人差し指が、薬指より長かった人
「女性ホルモン」を胎内でたくさん浴びた人、オンナ度が高い「女タイプ」
2、薬指が、人差し指より長かった人
「男性ホルモン」を胎内でたくさん浴びた人、オトコ度が高い「男タイプ」
僕も測定してみましたが、どちらも長さが一緒でぴったり7.8cmでした。

>うえださん♪
あたしの文章はですね、柔らかいんですよ。・・・って、自分で言うなって言われそうだけど、だから優しい人に見えたりするんだけど、実はそれって大間違い(笑)。

指の長さの話も、昔日記に書いたことがありました。
http://diary.mutsumishindo.net/etc/post_682.html
あたしはどの指も短いんだけど、比べるともうはっきりと薬指のが長い。5mm違うと、もう誤差ってことはないですよね。オトコ度が高い「男タイプ」なんだろうなあ。まあ性格を考えれば、そうだよなと納得できちゃったりします。これもまた悔しいんですけども。

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