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CD紹介の目次 (A→Z)
CD紹介の目次 (発売年)

デビュー! / J. ガイルズ・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.75)

get "the J. Geils Band"成功を約束されていたと言っては、言い過ぎでしょうか。だけど、the Butterfield Blues Band 以来の最高の白人ブルース・バンドと呼ばれ、プレイもハートも申し分ない。ブラック・ミュージックの名門アトランティックからデビューを果たし、ローリング・ストーン誌でベスト・ニュー・バンドにも選ばれている。他にこんな話もあるんですよね。

ロックの殿堂的なライヴ・ハウス、フィルモア・イーストに初めて出演した時、オーナーの Bill Graham はこう言って彼らを紹介したそうです。『メイン・アクトにしか興味がなく、このバンドにチャンスを与えてやるだけの忍耐力を持ち合わせていないというお客さんは、申し訳ないが会場から出ていってくれないか?。とりあえず静かにして、このバンドにチャンスをやってほしいんだ』・・・すごい期待の大きさですよね。

そう、約束とまでは言えなくても、誰もがこのバンドに期待していたんだと思います。そんな the J. Geils Band の物語を今日はお話ししたいと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2016 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comment

ドンファンのじゃじゃ馬娘 / ジョニ・ミッチェル 1977年
進藤むつみのおすすめCD (vol.74)

get "Don Juan's Reckless Daughter"とりあえず、恋愛関係の話は置いておきましょうか。もちろん Joni は『私の人生は、愛と音楽を探し求めることだけで費やされてきた』と歌ったくらいだし、彼女の詩からはその時々の恋愛の影響が色濃く読み取れたりもする。感性を刺激されてる事はもちろん、自分になかったものを相手から受け取っている事も分かる・・・けど、まあ、キリがありませんから(笑)。

ただ『音楽を探し求める』っていうのは、すごく彼女らしいよなと思うんです。実際、デビュー当時から圧倒的な個性や存在感を持ちながら、少しずつ音楽のスタイルを変えているんですよね。初期の弾き語りを中心をしたサウンドから、だんだんとジャズに傾倒していったのは、まさに自分が求めている音楽を追っていった結果のように思えます。

だけど、逆に全く変わってない部分もあると思いませんか?。もちろん詩もメロディーも一聴して彼女だって分かったりするわけだけど、実は音の響きそのものが同じだなって感じたりもする。もしかしたら、どの時代のどのアルバムでも彼女の頭の中では同じ音が鳴っていて、ただそれを表現する方法だけを探し求めていたんじゃないかな・・・って、あたしは思うんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2009 in 音楽, 1970年代, シンガー・ソングライター | comments

アズ・タイム・ゴーズ・バイ / カーメン・マクレエ 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.71)

get "As Time Goes By"ジャズ・ヴォーカルの弾き語りっていったら、誰を思い浮かべますか?。えっ?、Nat King Cole?。うん、そりゃあ定番だ。だけど、ちょっと後期のシンガーのイメージが強すぎる気がします。まあ、それぞれにお気に入りの弾き語りアルバムをお持ちだと思いますが、もしかしたら最近の Diana KrallNorah Jones を思い浮かべる人が多いのかもしれませんね。

あたしは・・・といえば、Carmen McRae なんですよ。"As Time Goes By" というライヴ・アルバム。このアルバムって本当のソロなんですよね。収録された10曲すべてで、彼女のヴォーカルとピアノだけしか聴こえてこない、唯一の全編ピアノ弾き語りになるのかな?。あたしのとっておきの一枚を紹介させてもらいたいと思います。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2006 in 音楽, 1970年代, ジャズ | comment

ハイドラ / TOTO 1979年
進藤むつみのおすすめCD (vol.58)

get "Hydra"恐るべき実力派ミュージシャン集団 TOTO。彼等のメンバーの中で一番好きなのは誰ですか?。跳ねるようなドラムスの Jeffrey Porcaro、ギターのお手本と言われ多くのフォロワーを生みだした Steve Lukather、ジャジーなピアノと美しいメロディーを作る David Paich、きらびやかなシンセサイザーを操る Steve Porcaro、ハイトーン・ヴォイスが魅力の Bobby Kimball・・・。実はあたしが一番好きだったのは、ベースの David Hungate でした。だって、彼が一番美形なんですもの♪。えっ、顔で音楽を聴くなって?。はい、気をつけます(笑)。

冗談はさておいて、TOTO の魅力のひとつには、独特なリズムがあったと思うんです。それは、Jeff のドラム・プレイによるところが大きいのはもちろんですが、David Hungate のファンキーなベースと一体になる事で、魅力が増幅されていたような気がするんですね。だから、冗談じゃなくても David Hungate が一番好きで、そうやって聴き始めると彼等のアルバムであたしが好きなのは、デビュー・アルバムから "IV" までになっちゃうんですよね。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 音楽, 1970年代, ロック | comments

ザ・ウォール / ピンク・フロイド 1979年
進藤むつみのおすすめCD (vol.57)

get "the Wall"the Dark Side of the Moon / Pink Floyd から続く)

どのバンドにも歴史があるように、Pink Floyd も幾つかの時代に分ける事ができます。まず最初は天才 Syd Barrett が在籍したデビュー当時。この時代のアルバムは "the Piper at the Gates of Dawn" だけなのですが、他の時代と一緒に考える事はできないでしょう。

そして第2期は、68年の "a Saucerful of Secrets" から72年の "Obscured by Clouds" まで(通常のスタジオ盤3枚とサントラ2枚、ライヴと実質ソロのカップリング1組)。第3期は "the Dark Side of the Moon""Wish You Were Here" の2枚。ここまでは、前回の "the Dark Side of the Moon" の中でお話してきました。

もちろん人によって見方は違うと思います。2期と3期を合わせて考えるのもアリだし、3期と今回お話する時代を合わせる考えもありでしょう。ただ、あたしはこれからお話しする、Roger Waters が強烈なリーダーシップをとった時代は分けて考えたいと思うんです。そして、その後にもう一つ訪れる時代も・・・。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2005 in 音楽, 1970年代, ロック | comments

狂気 / ピンク・フロイド 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.56)

get "the Dark Side of the Moon"個人的な話になりますが、あたしが初めて聴いた洋楽のアルバムは、この "the Dark Side of the Moon" でした。もちろんラジオから流れてきたり、映画で使われたものなど耳にする曲は多かったものの、アルバムを通して楽しむという考えはその頃ありませんでした。そしてこのアルバムを聴いた感想は・・・、もう衝撃的の一言につきます。その当時でさえ古かったアルバムが、これほどの感動を与えてくれるなんて。あたしは邦楽を聴くのを止めてしまったくらいでした。

どっぷりと Pink Floyd にのめり込んだ後は、Yes, E,L&P, King Crimson、そして Led Zeppelin, the Who, Jeff Beck・・・。えっ、今と全然趣味が違うって?。まあ、だけどこの辺りは基本ですからね。それでもどのミュージシャンを聴くにしろ、アルバムとして意識して聴くようになったのは、この Pink Floyd の影響だったのかもしれません。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2005 in 音楽, 1970年代, ロック | comments

1977年 進藤むつみのおすすめCD (vol.53)

天野滋さん急死...フォークグループ「NSP」のリーダー

 「夕暮れ時はさびしそう」「線香花火」などのヒット曲で知られるフォークグループ「NSP」のリーダーでボーカル、天野滋さんが1日午後、脳内出血のため都内の病院で死去していたことが4日、わかった。52歳だった。葬儀・告別式は故人の希望で3日にメンバーと近親者で営まれた。(Yahoo! News より抜粋)


get "NSP"NSP天野滋 も、今はご存知ない方の方が多いのではないかと思います。70年代を代表するフォークグループといっても、派手な活動やパフォーマンスではなかったし、もしかしたらアルバムを聴いたとしても知らない曲ばかりと思われるかもしれません。

だけど、逆に派手ではなかった分、一度その魅力に取り憑かれたならば、きっと心の原風景のようになってしまうと思うんです。そう、素朴で繊細な彼等の歌の世界は、ひっそりとファンの心の中に生き続けているんです。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2005 in 音楽, 1970年代, 日本 | comments

アンクル・チャーリーと愛犬テディ / ニッティー・グリッティー・ダート・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.44)

get "Uncle Charlie & His Dog Teddy"カントリー・ロック黎明期に、重要なアルバムを発表してきたミュージシャンといえば、 Gram Parsons と彼が在籍した the Byrdsthe Flying Burrito BrothersJim MessinaRichie Furay らが結成した Poco。元 MonkeesMichael Nesmith。そして、極め付けは Eagles でしょうか。ホントに名前を挙げるとキリがありませんが、それぞれに個性溢れるサウンドが魅力です。

その中でこの the Nitty Gritty Dirt Band は、カントリー・ロックというジャンルには収まらない音楽スタイルを展開しました。ロック、カントリー、ブルーグラス、フォーク、ブルース、R&B・・・。おそらく白人も黒人も関係ない、アメリカのルーツ系ミュージックの全てを飲み込んだサウンド。そんな独特のスタイルがこのバンドの特徴であり、他のバンドに比べて一回り大きく感じさせる要因なんだと思います。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2005 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comment

オールド・タイム・レイディ / マリア・マルダー 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.43)

get "Maria Muldaur"数多くのグッド・タイム・ミュージック(オールド・タイム・ミュージック)の中で、この Maria Muldaur のソロ・デビュー作は、最も成功したアルバムでしょう。そして時代を越えて、今でも多くのファンに愛され続けているアルバムだと思います。

グッド・タイム・ミュージックとは、古き良き時代の音楽・・・、1920〜30年代のサウンドを、現代の目で見て再評価した音楽といえるでしょうか。例えば90年代に入ってからも Squirrel Nut Zippers の活躍などがありますが、70年代に注目されたジャンルのひとつです。そしてその中で、このアルバムが頂点にあるような気がするんです。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2005 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comments

ナチュラリー / J.J. ケイル 1971年
進藤むつみのおすすめCD (vol.42)

get "Naturally"地味ですか?。確かに派手さはありません。流行なんて自分とは関係ないと、決めつけてるような人でしょう。チョロチョロっと弾くギター、ボソボソっと語りかけるようなヴォーカル。ギター弾きまくりアルバムを期待して聴いた人は、最初はガッカリするしれません。もっとも、J.J. Cale のスワンプ感は独特ですから、すぐに良さに気付くと思いますけどね。

そして独特といえばもうひとつ、彼のサウンドって強烈に密度が濃いんです。もちろん、音の数じゃなくってね。だいたい12曲を計6日で録っちゃうんですから、録音はほとんどライヴ感覚でしょう。それに、音色自体も太くはないんです。飄々とした演奏なのに、実はひとつひとつの音がシッカリしていて、出来上がったサウンドは強烈な密度の空間を構成している・・・。そういう事が、彼の音楽の一番の特徴なんだと思います。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2005 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comments

愛はすぐそばに / ヴァレリー・カーター 1977年
進藤むつみのおすすめCD (vol.41)

get "Just a Stone's Throw Away"Valerie Carter の一番の魅力は何なのでしょう。透明感のある瑞々しさや、可憐で愛らしいさまなのでしょうか。確かにこのソロ・デビュー作を初めて聴いた時には、そんな第一印象を持たれるかもしれません。

だけど、当時親交のあった、多くの実力派ミュージシャンのバックアップを受けて製作された、この "Just a Stone's Throw Away"。ルーズなロックから、フォーク、ファンクまで、様々なエッセンスを含んだこのアルバムを聴き込んでいくにつれ、彼女の可能性の高さと力強さを感じるのではないでしょうか。可憐さと力強さ。そんなアンバランスさこそ、彼女の、そしてこのアルバムの魅力なんじゃないかと思います。

posted by 進藤むつみ on Spring, 2005 in 音楽, 1970年代, シンガー・ソングライター | comment

黒船 / サディスティック・ミカ・バンド 1974年
進藤むつみのおすすめCD (vol.28)

get "Black Ship"仮に聴いた事がなかったとしても、この "黒船" を知らない人はいないでしょう。このアルバムは、日本のロック史に燦然と輝く歴史的名盤です。そして、サディステック・ミカ・バンド を率いた 加藤和彦 は、日本が世界に誇るべき最高のアーティストだと思うんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2004 in 音楽, 1970年代, 日本 | comment

ミニット・バイ・ミニット / ドゥービー・ブラザーズ 1978年
進藤むつみのおすすめCD (vol.26)

get "Minute by Minute"the Captain and Me / the Doobie Brothers から続く)

デビュー以来 the Doobie Brothers を引っ張ってきた Tom Johnston のリタイアにより、急遽メンバーに加わった Michael McDonald。彼の参加はバンドのサウンド自体を、大きく変える事になります。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comment

キャプテン・アンド・ミー / ドゥービー・ブラザーズ 1973年
進藤むつみのおすすめCD (vol.25)

get "the Captain and Me"メンバーチェンジによって、サウンドを変えていくバンドは少なくありません。特に欧米のバンドは、ヴォーカルが変わる事さえも珍しくはなく、そのヴォーカルによって、第何期と考えなければならない場合もあります。しかし、the Doobie Brothers 程にそのバンド・スタイルを変え、そしてそれぞれに評価を受けたバンドは多くはないと思います。今回の『おすすめCD』では、Tom Johnston が引っ張った "the Captain and Me"、そして Michael McDonald をフィーチャーした "Minute by Minute" の2枚に分けてお話したいと思います。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comments

[Magnetic South] / マイケル・ネスミス&ザ・ファースト・ナショナル・バンド 1970年
進藤むつみのおすすめCD (vol.17)

get "Magnetic South"Micahel Nesmith の名前を知っている人は、今は少ないかもしれません。この "Magnetic South" も、古いアルバムだしね。だけど、the Monkees のモミアゲさんと言えば年配の方は分かるかしら(笑)。いえいえ、元 Monkees だとバカにしてはいけませんよ。彼は元 the ByrdsGram Parsons と並んで、カントリー・ロック黎明期の重要人物の一人なんですから。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comments

ホテル・カリフォルニア / イーグルス 1976年
進藤むつみのおすすめCD (vol.12)

get "Hotel California"以前紹介した the Byrds"Sweetheart of the Rodeo" が、 最初のカントリー・ロックのアルバムだとしたら、この "Hotel California" は、 最後のカントリー・ロックのアルバムと言えるのではないでしょうか。もちろんいろんな見方があり、Eagles がデビューした時点で、既に「カントリー・ロックは死んだ」と言う人もいます。だけど、ロックが巨大産業化する中、このアルバムに閉じ込められた空気や思い(おそらく1976年のアメリカそのもの)は、カントリー・ロックの終焉に相応しいものだと思うんです。

1976年のアメリカ。それは建国200年に沸きながらも、ベトナム戦争の傷跡により、閉塞感や倦怠感を持っていたと言います。明るい未来を、素直に夢見る事が出来ない・・・。このアルバムを聞くと、そんな空気を感じるんです。いえ、理屈抜きに名盤、そして1曲目の "Hotel California" は、永遠にロックの歴史に残る名曲なんですけどね。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comments

浪漫 / リッキー・リー・ジョーンズ 1979年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.8)

get "Rickie Lee Jones"今回はシンガー・ソングライター、 Rickie Lee Jones のデビュー・アルバムのご紹介です。このアルバムをリアルタイムで聞いた人って、きっとショックを受けたのだろうと思います。曲の魅力にはもちろんの事、ベレー帽を被ったジャケット写真にも・・・

posted by 進藤むつみ on Summer, 2004 in 音楽, 1970年代, シンガー・ソングライター | comments

アット・ヤンキー・スタジアム / NRBQ 1978年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.7)

get "at Yankee Stadium"さて、フジロック・フェスティバルに出演する中で、あたしにとっての最高のバンドがNRBQ。超B級パブ・ロック・バンド(失礼)です。

・・・知らない人が読んだら、本気にするかもしれないので、言い直しましょう。NRBQ は今年デビュー35周年を迎え、多くのミュージシャンに影響を与え、そして絶賛されている、最高のR&Rバンドです。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2004 in 音楽, 1970年代, アメリカン・ルーツ | comment

アート・オブ・ティー / マイケル・フランクス 1975年
 進藤むつみのおすすめCD (vol.1)

あたしがおすすめの
 それは・・・
世間で言う傑作とは違うかもしれないけど
あなたには聞いてもらいたい
そんな音楽のお話です
 

get "the art of tea"今までに聞いてきた中から、おすすめのCDを紹介していくこのシリーズ(シリーズか?)。第1回は Michael Franks の出世作 "the Art of Tea"、あたしが一番好きなアルバムを紹介したいと思います。もうホントにどれだけ聞いてきたことか。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2004 in 音楽, 1970年代, シンガー・ソングライター | comments