こっち側

人を2種類に分けるとしたら、どういう風に分けますか?。

例えば・・・『男と女』。『善人と悪人』って分け方もあるかもしれません。あとは『大人と子供』、精神的な意味でね。『送り手と受けて』 っていうのはどうだ?。趣味で分けるのもありかしら?。ギター弾いてた友達が『ロッカーとそれ以外』って言ってたな(笑)。『猫好きと犬好き』だったら、あたしは絶対猫好き派。『飲んべと下戸』って言った人には、この人ホントにお酒が好きなんだなって思ったりしました。

あたしはといえば、最初は『男と女』に分けていたんです。うん、10代の頃の話。だけど、なんかシックリこないんですよね。これってトランスとかそういう話じゃなくって・・・っていうか、あたしは若い頃自己否定しかないような人生を送っていたわけだけど、まあ、10代の頃は普通に男として生きようとしていたわけで、トランスジェンダーだとかの悩みが深かったわけじゃない。それでも、なんか『男と女』だと違和感があったんですね。

どうも『男』の中に『あたし』を入れちゃうから納得できないんですよ。で、仕方ないから『男と女とあたし』の3つに分ける事にしたんです。そうすると、あたしの気持ちと男の人の考えが違ってもおかしくなくてすっきりする。ただ、それなら別に『男と女』を分ける必要もないかって事で、しばらくして『自分と他人』の2つに分ける事にして、実際、たぶん、これが究極の分け方になるんじゃないかなと思います。


それからまたしばらくして、なんか同じ匂いがする人がいる事に気が付いたんです。男の人もいるし女の人もいる。もちろんトランスとか関係なしに。善い人もいるし、悪い人もいた。仲良くなってよく遊ぶようになる人もいたし、出会っただけでそれきり会わなくなる人もいた。何が違うって具体的に言うことは出来ないんだけど、なんか同じ匂いがする人に出会う事があるんですね。

あたしが姉と慕っている人がやっぱりそう感じさせる人で、価値観が同じなのかな?って思ったりもしたんだけど、全然価値観を共有出来ない人にもそういう人がいたし、それどころか初めて会った瞬間に『同じだ!』って思ったりするんですよね。だから、ホントにもう匂いっていうか、感覚的にあたしと同じタイプの人だなって分かる。で、あたしはそういう人を『こっち側の人』と呼ぶ事にしたんです。

『こっち側』・・・に対して、自分と同じ匂いがしない人は『あっち側』。『こっち側とあっち側』。すごい抽象的な言い方ですけどね。そういう分け方をするようになったのが・・・10代の終わり頃、二十歳になる少し前だったかなあ。それからずっと歳を重ねてきたわけだけど、その分け方が変わる事はなくて、今でもそう分類してたりするんです。 ・・・まあ、別に2つに分ける必要はないんですけどね。


今になってみると、あたしにとってはトランスかどうか・・・T'sな人間かそうでないかっていうのは大きい問題な感じもするけれど、知り合った女装子さんやトランスジェンダーな人やニューハーフな人に、同じ匂いがする人っていなかった。うん、あたしにそういう関係の知り合いが少ないっていうのはあるのかもしれないけれど、少なくてもT'sかどうかっていうのは、『こっち側』の要因じゃないんだろうなって思う。

それと、今までに付き合ってきた人・・・、まあ男の人も女の人もいるわけだけど、お付き合いした人にもこっち側の人はいなかった。これは、だけど、まあ、そうだろうなって思っちゃう。なんか、こっち側の人って、あたしを含めてマイナスのベクトルを持ってるんですよね。マイナスとマイナスが合わさったら、化学反応が起きちゃうような気がしますから(笑)。


結論のない、上手く説明できない中途半端な話でごめんなさいですけども、『こっち側とあっち側』って、あたしはそんな風に考えていたりするんです。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2008 in T's

comments (6)

むつみが話したの?

>peco♪
なんか最近『むつみが◯◯したの?』ってコメントばっかだよ。

人間を二分するというのは非常によくないと思いつつも、もうずーっと昔からやっています。「本を読む人間と読まない人間」、そして「ロックを聴く人間と聴かない人間」。この両方で後者である人種には好感は持てても興味が持てません。まして共感なんて。
その差異に比べれば、トランスかどうかといった問題は、私にはないも同然です。例えば私は納豆が大嫌いなんですけど、他人がそうかどうかはどうでもいい問題なので、納豆の好きな男性と結婚して食卓に納豆も出してやってましたw
(納豆と一緒にするな!って言われそうですが。でもたしかむつみさんは納豆食べますよね? って関係ないか)

犬はどうやって他の犬を同種の動物だと見分けるんだろう?と思うことがあります。だって犬って人間が品種をつくっちゃったから恐ろしく細分化されていて、セントバーナードからチワワまでいるのに、どうもそれでも同じ犬だとわかっているらしいのが不思議。そして見た目は犬に似ている他の動物はしっかり区別しますよね。
むつみさんのしているのもそういう感じでしょうか。だったらいい意味で動物的というか、生き物に本来必要な、文字通り「嗅ぎ分ける」力があるんでしょうね。

>Screaming Bunnyさん♪
まあよくないとは昔から思いつつ、書いちゃったわけなんですけどね。Screaming Bunnyさんは本だろうなと思ってました・・・っていうか、それに比べたらロックが重要とは思ってなかったな。

ホントに感覚的としか言いようがないし、だいたい『こっち側』って分け方も具体的に説明できやしないんだけど、なんかもう一瞬でそう感じるんですよ。確かに嗅ぎ分けてるのかもしれない。だけど、種・・・って事ではないと思うんです。逆に、もしかしたら危険を感じてるくらいかもしれない。だって、こっち側の人が安全だとは思えませんから。この先、何回も会う必要があるのなら、あっち側の人との方が無難に付き合えるような気がしています。

ただ、それ以外の分け方は、あたしにとってはあまり意味がないかもなあと思います。音楽好きな人と一緒にいると確かに『楽』なんだけど、そうじゃなくてもその人自体の魅力は変わらない。トランス系の話もそうだし、他の趣味にしてもそう。・・・あっ、食べ物はちょっとあるかもしれません。結構『食』って大切だと思いますよ。ええ、まああたしは納豆は大好きですけども(笑)。

>本だろうなと思ってました・・・っていうか、それに比べたらロックが重要とは思ってなかったな。
そうなんですよ、そうなんです。本のほうがずーーーっと重要なんです。でも、今や読書はマニアックな行為らしくて、文学を読む人間だけを認めるなんてことになったら、お友だちなんかいなくなっちゃいます。
なのでつい先日もうかうかと本好きと結婚しちゃいました。で、彼の読書の底の浅さが知れたんで離婚しちゃいましたw
その前の元ダンナは立派な本好きでした。両親も親戚もみんな読書の習慣があります。ってワタクシごとでスミマセン。ついわかってもらって嬉しくて。

>Screaming Bunnyさん♪、そりゃあ分かりますってば(笑)
あたしが二十歳の頃ってもっと本好きの人が多かったし、ホントにのめり込むように読んでる人もいたのに、確かに読書家はマイノリティになっちゃったかもしれないですよね。だけど、いいんじゃないですか?。マニアックなんですよ・・・って自信を持ってたりするのも♪。
離婚は確かに早すぎ、あたしが言った『おめでとう』って言葉を返してって感じ。
正直、あたしもあんまり本を読む方じゃないんですよね。両親もそこそこだったし、環境なのかなあ。・・・だけど、両親は音楽もそこそこでしかなかったんですよね。

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