刺身のつまは飾りじゃない

水分を多く持った刺身を乗せる台としてダイコンの千六本を使うと、出た水分は即座に隙間を通って下に落ち、刺身を水っぽくしなくてすみます。その他、一緒に食べることでさっぱりとした口直しになる、ダイコンの持つ消化酵素の働きも期待できるので一石何鳥もの優れものというわけです。

市兵衛さんの釣魚料理基本編:刺身より)

まあ、飾りでもあるんですけどね。殺菌って事だとわさびや大葉の方が意味がありそうだし、あたしは大根は口直しって感覚が強かったのでした。


家から南に抜ける国道沿いに一軒のドライヴインがありまして、そこは結構な山あいだったりするんだけど、いつも大型トラックがたくさん止まって繁盛してる。店の前の道はあたしは月に何回か通るんだけど、そこで食事をするのは、まあ精々年に1回ってトコかしら?。不味いわけじゃないし、安くて量も多いし、煮物や揚げ物とか単品メニューも充実してて面白いんだけど、ちょっと味付けが濃いんですよね。

あたしの友達が、ある時その店で食事をしたそうな。刺身定食を頼んだそうな。山の中の食堂で刺身・・・って話はこの際置いといて、出てきた刺身を見ながら『何か違う・・・』って思ったらしいんですよ。だけど、一瞬何が違うのか分からなかったんですって。でも、まあ、ご飯とお味噌汁と漬け物とお刺身を食べ始めたらしいんだけど、そこでふと違和感の原因に気付いたらしいんです。

そのお刺身にはね、大根じゃなくてキャベツの千切りが添えてあったんですって!。

その話を聞いてから、あたしはそこで食事をする時は『刺身定食』を食べてる人がいないか店内を見回す癖がついちゃったんだけど、残念ながら一度もお目にかかった事がない。かといって、自分で頼む勇気もなくって、今でもキャベツの千切りが添えてある刺身定食を思い浮かべながら、その店の前を車で通り抜けているのでした。

・・・水っぽくしないとか、口直しだとか、消化酵素だとか、キャベツだとどの役目も果たしそうもないものなあ(笑)。

posted by 進藤むつみ on Summer, 2008 in

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