おばあちゃんちが海の近くにありました。ホントに歩いて5分くらい。急に深くなる海で、海水浴場としてはあまり良くないんでしょうね。だけど、海水を使った大きな市営プールもあって、泳ぐのはプール、砂遊びは海って振り分けでした。水着でそのまま海に向かって、もちろん帰りもそのままで。家に帰ってきてから、井戸水で砂を流してね。とんでもなく恵まれた環境なんだけど、当たり前だと思ってるんですよ。それを友達に自慢した事もなかったけど、それでも夏休みは楽しみだったのでした。

中学に入学する間際におじいちゃんが亡くなって、一人になったおばあちゃんは伯父さんの家へ。海の近くの家は急に引き払う事になりました。なくして初めてありがたさに気がつくんですよね。もちろんおじいちゃんのありがたさ。そして、海の近くにその家があったありがたさ。あたしが子供の頃から泳ぐのが得意だったのは、そして海が好きだったのは、そのおかげだったのでしょう。それから、だんだんと海が縁遠くなっていったんです。

大人になってバイクや車に乗るようになって、山が好きなあたしは峠道ばかり走っていました。海沿いは・・・友達と出かける事はあっても、自分から行こうとは思わなかったんです。そのうち今住んでるトコに引っ越してきちゃって、ここって最寄りの海まで100km以上あるんですよね。高速もない上に、峠越えをしないと海に出れないというのが笑えます(笑)。そうすると輪を掛けて縁遠くなっちゃって、去年の日記にも書いたけど、最後に海を見たのは4年前だったと思うんです。

海に行ったとして、泳ぎたいわけじゃないんですよね。実際、夏はとっくに過ぎてるし、日焼けするのも困り者だし。だけど最近、無性に海が懐かしく思えるんです。行けない距離じゃないけれど、なかなか行かないからなおさらなのかもしれません。 ・・・秋の海かあ。誰もいない海を、一人ぼんやり眺めてみるのもいいのかも。石を投げて、『バカヤロ〜!』って叫んでみようかな?。・・・なぁんて、何を考えているのか分からなくなってるあたしなのでした(笑)。

posted by 進藤むつみ on Autumn, 2005 in 雑記

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