ヘコんだ時には、なおヘコむ事を思うもので・・・

この間までヘコんでいたのですが、そういう時って上手く気晴らしができるようだと、立ち直りも早いのだろうと思います。あたしは・・・ダメなんですよね。もう、誰とも話したくない、会いたくない。普段は賑やかな音楽を聴いてるのに、ズーンと沈むようなのばかり聴いたりして、どうしてもプラス思考にもっていけません。

そんな中で思い出したのが、マリー・ローランサンの『鎮静剤』という詩でした。この詩に初めて触れたのは、10代の終わり頃だったかな?。感受性の豊かなその年代って、こういうのに弱いんですよね。華やかでいて繊細な画風とは違い、とても印象深かったのでしょう。お友達といろいろ話し合った記憶があります。

今回、何で急に思い出したのか不思議です。だけど思い出してからずっと、自分なりに考えていたんです。この詩の事は、ご存知の方のが多いと思いますが、ちょっと読み上げてみましょうか。全文引用はマズイのでしょうけど・・・内緒にしておいて下さいね(笑)。ローランサンの『鎮静剤』、堀口大学の訳です。

退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です。
かなしい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。

で、ヘコみながら考えていたのがね、この順番で合ってるのかしらって。この中で一番マシなのは、やっぱり「退屈」でしょうね。重いのは、そう「忘れられた」です。そのとおり「死んだ」より哀れだと、あたしは思います。だけどその間は、この順番で良いのでしょうか?。ローランサンだけ?。万人に共通なの?。いや、あたし的にはこっちのが哀れだと、入れ替えてみたり戻してみたり・・・。

そんな事を思いながら夜は更けて、あたしはますますヘコんでいったのでした。 ・・・けど『鎮静剤』か。意外に興奮を抑えられたのかもしれないな。

posted by 進藤むつみ on Winter, 2005 in 雑記

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» マリー・ローランサン from "IN THE WOODS"

 横っちょにリンク晴らせてもらった・・・に、マリー・ローランサンの『鎮静剤』とい

comments (6)

  うん・・・『かなしい女』から『死んだ女』までは結構ネックレスの様に数珠繋ぎになって閉じているようにも思いますね。  哀れと言うなら生きているものは全て哀れなのかも。

  物騒な話なんですけど、わしは落ち込んだ時は決まって『でもこれは死ぬほどの理由になるか?』と考えてしまう訳です。  で、それほどでも無いと判ると、肩の力が抜けて取り合えず寝てしまうんですね。  だから何時か『死ぬのに見合う』程のショックに出会う日まで、それで切り抜けます。  出会ってしまったら?  ・・・・わからねぇ~、へへっ♪

>usagi3さん♪
なんていうか、こんな有名な詩に対して、文句つける訳じゃないんですけどね。ヘコみながら、色々と入れ替えてみては一人で悦に入って、その後戻してみると、うーん、やっぱりこれだなと思う並びでした。
『死ぬのに見合う』程のショックですか。死ぬまでないかもしれませんよ♪。ご家族にも恵まれてるようですし・・・。
あたしは・・・、最近は「死」と比べなくなってるような気がします。「忘れられた」ら、比べちゃうかしら?。

びっくりしました。
ぼくもこのマリー・ローランサンの詩、『夜の手帖』で、早い話が一命を取り止めたんです。もう30年近く前ですが。
おお!詩の力は偉大だあ!

>osaさん、お久しぶりです。その節はお騒がせしました。
一命を取り止めるほどの事があったんですか!。ホントに詩の力って偉大です。だけど、誰に対しても訴えかけてくる、そんな詩のような気がします。
osaさんの訳された詩も拝見しました。そうか、こうして続けて語りかけられると、また違うメッセージになってきますね。

ああ、此処までは自分にドンズバ当てはまってる・・・でもこれとこれは未だだから、かろうじて・・・なんてね。
忘れられた女ってのは、本当にだけど、女に限らずなのかも。結局「世は全て事もなし」だったりするのだし。なんて思うと、この熱量は一体何処へ?なんて考えて又ループに嵌ったりします。
そんでもって、風邪引いてあんましご飯が食べられなかったりすると、早く「治りたい」と願ってしまったりします。何だろう。私の根源は食欲????・・・かもな。と一人納得。

>kazooさん♪
やっぱり人間、食が基本でしょう。食欲のない人間を信用してはいけません・・・なんて、そろそろ真剣にダイエットしなくちゃいけない、あたしなのでした(笑)。
「忘れられた女」・・・、確かに女には限らないのでしょうね。いえ、ここであげてる全てが、女だけじゃないように思います。ただ、分かりやすい言い方なのかもしれませんね。
ふと、「退屈な女」が最初にあるのが、哀れだと思ったあたし・・・(笑)。

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